Copyright(C)長谷川芳典 |
岡山では1月1日から10日までの10日間で最低気温が氷点下となった日が6回を数えている。これは昨年の3回より多い。もっとも、1月11日から20日までの記録をみると、昨年は最低気温が氷点下の日が6日連続となり、1月12日には最低気温マイナス5.5℃、1日の平均気温も−0.5℃まで下がったことがあった。今年の1月中旬にはそのような大寒波到来は予想されていないようである。 写真は、タイム(ハーブの一種)に下りた霜。白い花のように見える。 |
【連載】 関係反応と関係フレームをどう説明するか(17)「関係フレーム」とは何か?(6) 複合的相互的内包(2) 1月8日の続き。 相互的内包の定義の時もそうであったが、私には、複合的相互的内包(複合的内包)の定義の中にもしっくりこない部分がある。
まず第一に、関係フレームで言うところの「関係」というのはあくまで、恣意的に切り分けられた複数の事象に対する特定の反応の仕方であるということ。非恣意的な特徴(物理的な大きさ、重さなどを反映した特徴)であれば、その特徴に対するタクトとして関係反応が生じるであろうが、その場合は派生とは言えない。例えば、「象は人間より大きく、人間はネズミより大きい」と教えられた子どもは、象とネズミを直接観察することによっても「象はネズミより大きい」と判断することができる。 第二に、「大きい」いう教示が有効であるためには、事象間の比較課題を始める前に「大きい」という言葉を知っていなければならない。しかし実際は逆であって、子どもは、日常場面で事象間の比較課題に自然に接する中で、少しずつ「大きい」というタクトを学習していくのである。 このことに関連するが、子どもは、日常生活の中でいろいろなモノを持ち上げたり運んだりする中で、感覚の大きさと対応づけながら、「重い」というタクトを学んでいく。そんななか、もし、お風呂の浴槽にいろいろなオモチャを浮かべて遊ぶことの好きな子どもがいたとしたら、直径1cmのビー玉と、1辺10cmの木製のキューブを浴槽に入れた時にビー玉だけが沈むことから、「ビー玉は木製キューブよりも重い」と学習するはずである。これは何ら間違った判断ではない。経験的事実に基づいてタクトしただけである。(じっさい、もし人間が水中で暮らす動物であったとしたら、「ビー玉は木製キューブよりも重い」というように判断することは、実用上、もっと有用なタクトになったはずである。 元の話題に戻るが、私自身は、複合的相互的内包は以下のように定義すれば一番スッキリするように思っている(といっても、これは私見であるゆえ、授業ではあくまで、権威ある専門書の定義を紹介している。) ある文脈において、Bに対してAの観点から反応し, Cに対してBの観点から反応しているとき,結果として、Aに対してCの観点から反応するという特徴。見本合わせの実験場面にあてはめて言えば、 ある文脈において、AをBに対応づけ、BをCに対応づける条件づけを行うと、CをAに対応づける行動が派生するという特徴。 次回に続く。 |