Copyright(C)長谷川芳典 |
昨年12月21日の日記に記したように、2019年の葉書版年賀状(妻と連名で差し出す親戚・知人宛のみ、私自身は賀状交換廃止)はチョモランマ・ベースキャンプの写真のモノクロ印刷とした【右下の画像】。しかし、妻がモノクロの上から左下画像のように色をつけたため全く違う見え方になった。 |
【連載】 関係反応と関係フレームをどう説明するか(14)「関係フレーム」とは何か?(3) 相互的内包(1) 1月4日の続き。 前回述べたように、関係フレームは、「相互的内包」、「複合的相互的内包(複合的内包)」、「刺激機能の変換」という3つの特徴を持つとされている。まずは、相互的内包から復習しておこう。 正確を期すために、RFTのパープルブック(30頁)から引用させていただく。 続いて、例の、初めて見た時には何のことやら分からない公式(記号列)の解説がある。 All forms of arbitrarily applicable relational responding, by definition, must be brought to bear on the situation by contextual events other than purely the nonarbitrary properties of the relata themselves. Mutual entailment applies when in a given context A is related in a characteristic way to B, and as a result B is now related in another characteristic way to A in that context. It is sometimes useful to have a technical set of symbols to describe this simple concept. Mutual entailment can be represented by the formula:それぞれが表しているのは、
Specifically, if an arbitrarily applicable relational response is occurring, then a response to B in terms of A as part of an "rx"response, entails a response to A in terms of B as part of a "rx"response. Stated another way, if mutual entailment is occurring, "rx" and "ry" are two aspects of the relational operant. ちなみに、一番上の引用の中で「Arbitrary stimulus relations are always mutual.」とあるように、非恣意的な事象関係は常に相互的である。恣意的な関係も日常生活では当たり前のように受け止めがちであるが、じつはこれは自然の法則でも何でもなくて、人間がそのような反応を派生しているからそう見えるのである。 このことに関連するが、武藤編(2011)『ACTハンドブック』の第3章(木下・大月)の説明(40頁)は若干の追加説明が必要であるように思う。 相互的内包とは,双方向性の関係づけに対する基礎的な用語である。たとえば, AはBよりも<大きい>と教えられた場合に, BはAより<小さい>という関係性を派生することである。上掲で、もし、AとBが例えば象とネズミの実物を比較しているのであれば、大きさの関係は非恣意的である。この場合、「大きい」とか「小さい」というのはもともと双方向的なタクトとして使われる言葉であって、一方が「大きい」なら他方は「小さい」という言葉の定義に過ぎない可能性がある。そうではなくて、例えば、同じ大きさのコイン2枚にそれぞれAとBという文字が刻印されていて、Aと書かれたコインはBと書かれたコイン10枚分の価値があると教えられた場合の(交換価値の)大小関係では、「コインBはコインAより小さい」という関係反応は派生されたものと言えるかもしれない。 不定期ながら次回に続く。 |