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1月29日はドクターイエローの「のぞみ検測・上り」が運行されており、13時過ぎに、世界三大黄金像の1つ、岡山の大黒天像(←長谷川が勝手に選定)とのコラボを撮影することができた。 |
【連載】 関係反応と関係フレームをどう説明するか(29)「関係フレーム」とは何か?(17) いろいろな関係フレーム(12)Distinction(1) 昨日の続き。 RFTのパープルブック(36頁)では、「FAMILIES OF RELATIONAL FRAMES」として、「Coordination」、「Opposition」に続く3番目のフレームとして「区別 Distinction」が挙げられている。具体的には、
ちなみに、ランダムハウス英語辞典では、「distinction」と「difference」の違いとして、 ●distinction は通例,分析・識別してその差異をとらえることをいうが,difference は単に相違していることだけをいう. という説明があった。 なお、区別や相違に似た用語として、行動分析学では「discrimination(弁別)」がある。パープルブックでももっぱら、専門用語として使われているようである。 さて、ここからは私の意見になるが、「distinction」を敢えて「区別」と訳したのは、これがあくまで能動的なオペラント行動として強化や弱化の対象となる、ということを強調したかったためである。 すでに述べたように、複数の事物を同じ(same)と見なすという行動は、「違う」事物が存在していればこそ有用な行動となる。すべてが「同じ」であるなら、そのようなタクトは意味をなさない。 但し、「同じ事物を選ぶ」ということと「区別せずに選ぶ」というのは異なる意味がある。「国籍を問わない」というのは、同じ国に住んでいるものと見なすということではなくて、あくまで、国籍という相違を選択の基準に含めないという意味である。 何かを区別するという行動は、何らかの基準に照らして、それに合致するモノと合致しないモノを切り分ける行動とも言えるが、分類が2通りであれば、等位や反対フレームの言い換えとなってしまう。 パープルブックで言っている「Distinction」のほうは、上掲の引用で ●It involves responding to one event in terms of its differences from another, typically also along some specified dimension. とあるように、ある刺激に対して、通常は特定の比較軸に基づいて、別の刺激の観点から反応するという関係反応のことを強調している。そういう意味では、「○○とは違う」、「〜でない」というタクト型の反応もこれに含めることができそうである。 次回に続く。 |