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朝日を浴びて輝く文学部(正確には文法経1号館)。この時季、志願者状況が日々公表されているが、2月1日現在では前期日程募集人員に118人に対して志願者数は69人となっていて志願倍率はまだ0.6倍のレベルにある。定年退職の隠居人となった私ではあるが、2017年度までは近隣県の入試説明会や学内の教室紹介イベントに関与していたこともあり、最終的な倍率がどのくらいになるのかは気になるところである。 |
【連載】 関係反応と関係フレームをどう説明するか(34)「関係フレーム」とは何か?(22) いろいろな関係フレーム(17)Comparison(2) 昨日の続き。 「比較(Comparison)」は、関係反応や関係フレームの説明材料としてしばしば登場しているようだ。おそらく、
そんななか、ウィキペディア英語版では、関係反応について「比較」を用いた次のような例が挙げられていた。 Relational respondingもっとも、ライオンが一番大きい肉を選ぶとか、牝鹿が群れの中で一番強いオスを交尾相手に選ぶという行動が本当に関係反応であるのかどうかは精査が必要であるように見える。 というのは、物理的に大きな刺激というのはしばしば、より大きな反応を誘発しやすい。他の刺激と比較してもしなくても、結果的に反応の確率が高まるという可能性もある。例えば、地球上で、どの国に隕石が落下しやすいのかを考えてみる。おそらく、一番確率が高いのはロシアであろうが別段、隕石が、各国の面積を比較した上で一番広いロシアを選んだわけではない。落ちる場所を陸上に限定した場合、面積が広い国ほど落下の確率が高いというだけのことである。 メス鹿が群れの中の一番強いオスを選ぶというのも、実際には群れの中でオスどうしの争いがあり、一番強いオスだけがメスに近づいている可能性がある。 以前、こちらの論文で選択行動について考察したことがあったが、選択行動と比較行動はいずれも行為主体から定義される必要がある。実験者(日常場面では提供者、介護支援者など)が選択肢を用意し、形式上はどれを選んでもよいという選択機会が保障されていたとしても、それだけで選択や比較がなされているということにはならないのである。 次回に続く。 |