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3月3日放送の「ナニコレ珍百景」で、「明治」、「大正」、「昭和」、「平成」という地名が並ぶ地域があるという話題を紹介していた。さっそくネットで検索したところ、確かにそのような地名が記されていることが確認できた。もっとも、これらの地名はそれぞれの元号が決まったのち、後付けで改名されたものであり、「珍百景」には認定されなかった。
ちなみに、元号と固有名詞の関係であるが、私の理解している限りでは元号、あるいは元号と普通名称と組み合わせた名称を商標登録することはできないとなっている。地名は商標ではないので認められているということなのだろうか。 私がよく分からないのは、大学の名称として元号を使うことである。元号を含んだ大学名として私の知っているのは などがあるが、どういう経緯でそのような名称が認められたのか、興味深い。もっとも、「日本大学」とか「岡山中学・高校」というように、教育機関の中には私立であっても国名や県名をそっくり取り入れた固有名詞もあり、元号をつけた大学だけが特異というわけでもなさそう。 |
【小さな話題】 碁盤の目の町と放射状の町 NHKで2018年4月初回放送の、 シリーズ 大江戸【3回シリーズ】 を再放送していた。少し前に、 大江戸 奇跡のロスト・シティー 265年の物語【2019年1月5日初回放送】 を視たことがあったら、こちらは3回シリーズを再編集した総集編とのことであった。 この番組で面白いと思ったのは、江戸の街並みが碁盤の目ではなく、江戸城を中心として放射状に構築され、螺旋状の濠や水路によって水運が確保されていたことであった。 少し前のチコちゃんに叱られる!で「なんで東京の地下鉄はごちゃごちゃしているの?」という疑問が取り上げられたことがあるが、その一因は、道路が放射状と環状を基本としていることにあると思われる。国内や海外の都市をおおざっぱに分類すると、
都市機能として、「碁盤型」と「放射型」のどちらがすぐれているのかと思いネットで検索したところ、こちらやこちらに同じような疑問が寄せられていたが、日本国内の都市の中でなぜ江戸が家康による設計当初から放射型を選択したのかは解明できなかった。 ここからは私の素人判断になるが、江戸が放射型となったのは江戸城の防衛上の利点のほか、自然の地形が大きく影響しているようにも思われる。江戸という都市は、下町の湿地帯と山の手の台地の上に造られた町であるが、山の手の台地のほうは、東京湾に流れ込む河川で削られてやたらと起伏が多い。これは山手線で品川から池袋あたりを通ってみると特に顕著であり、車窓の景色を見ると、高架部分と低地を交互に走り抜けていることに気づく。このような地形のもとで碁盤の目の巨大都市を造ることは困難。それよりも、河川の向きに合わせた放射状の街道とそれを結ぶ環状の道路を造ったほうが合理的ということであったのではないか。 では、現代社会においては、放射型は碁盤型と比べてどのようなメリットがあるのだろうか。通勤者が郊外と都心を往復する場合には、明らかに放射型のほうが便利であろう。放射型であれば、郊外の住居地から電車1本で都心の職場に向かうことができる。大学を郊外に移せば、通勤者と通学者の利用する電車は逆向きとなり混雑の解消にもつながる。東京の地下鉄は確かにごちゃごちゃしているが、最短ルートを見つければ乗り換え1回程度で大概の場所に行かれるというメリットがある。 いっぽう、碁盤の目型は通り名さえ分かれば位置が特定できるというメリットがある。もっとも、札幌市内でタクシーを利用した時に感じたことであるが、交差点のたびに赤信号で停車させられてなんだかとっても時間がかかるような気もした。東京の場合は、1964年オリンピックの頃に、放射状の道路と環状線(環七、環八など)の立体交差の工事が行われたせいか、交差点での信号待ちでイライラすることは札幌ほどではないように思える【景観は損ねているものの首都高で渋滞が緩和されている部分もあるが】。 碁盤の目で有名な京都市内も信号待ちが多い。(地下鉄を利用せずに)市バスだけで移動しようとすると、膨大な時間がかかることがある。 |