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昨日の日記に記したように、4月1日の官房長官の新元号公表記者会見では、官房長官が新元号を記した色紙を受け取って会見台の上に伏せる際、色紙の上部がちらっと見える瞬間があった。少なくとも一文字目が「令」、「今」のいずれかであると推測できる。私は「今」ではないかと思ってしまった。 |
【小さな話題】二人零和有限確定完全情報ゲームにおける「ゼロ和」と「有限」 新元号がらみでネット検索をしていたところ、二人零和有限確定完全情報ゲームの話題が目にとまった。ちなみに、ウィキペディアのリンク先によると、 ●「零和」は「ゼロ和」と読むのが一般的だが「レイワ」とも読む。 と記されていた。 ここでは「ゼロ和」と「有限」について考えてみることにしたい。 まず、新元号がらみの「ゼロ和」は、ウィキペディアでは、 ●プレイヤー間の利害が完全に対立し、一方のプレイヤーが利得を得ると、それと同量の損害が他方のプレイヤーに降りかかる。 と説明されている。さらに厳密な定義としては、 ●Aの利得関数EAとBの利得関数EBがEA=-EBを満たす事を言う。 となっているが、うーむ、専門的なことはよく分からない。 ゼロ和ゲームの典型は、囲碁やオセロであろう。いっぽうが目(囲碁)や石(オセロ)を獲得すれば、そのぶん他方は損失を被る。 ゼロ和ゲームは3人以上でも当てはまる場合がある。マージャンでは、4人の合計得点は常にゼロになる。 いっぽう株取引はゼロ和ゲームとは言えない部分がある。ある企業の業績が向上し株価が上がれば、その株を買った人も売った人もどちらも利益を上げる場合がある。 為替取引はゼロ和ゲームではないかと思っていたが、それぞれの国の経済発展(あるいは凋落)、その通貨の供給量、インフレ、デフレなどの変化があればゼロ和とならない場合がある。例えば、1ドル100円でドルを購入した人が、1ドル200円のレートになった時にドルを売れば形式上は2倍値上がりの利益を得たことになる。しかし、その時点で日本の物価が2倍になっていれば貨幣価値が下がるので全く利益にならない。仮想通貨の場合は、参加者が増えてどれだけ資金が流入するのかによって変わってくる。 スポーツ競技がゼロ和ゲームであるかどうかは、何をもって利得とみなすのかによって変わってくるように思われる。メダルや順位を争うというのであればゼロ和であるが、陸上競技などの記録破り、あるいはフィギュアスケートの技などは、選手全員の切磋琢磨により向上するのでゼロ和とは言えない。 次に「有限性」であるが、ウィキペディアでは、 ●ゲーム木が有限グラフである事を言う と定義されていた。 上記の定義は、「有限回数で必ず終了する」ということとは異なっているように見える。 例えば、囲碁は一個ずつ石を打っていくので有限回数で必ず終了するように思われるが、コウになると無限ループに陥る。但し、同じパターンが繰り返されるのでゲーム木自体は有限グラフとして表記できるように思われる。 将棋の場合も、千日手があるので、確実に有限回数で終了するという保証はない。また、対戦する両者がその気になれば、初手から、飛車を左右に1つ、金や玉を上下に、あるいは銀を斜め上下に反復的に動かし続けたとすると無限に対局を続けることができる。但し実際には、 ●駒の配置、両対局者の持ち駒の種類や数、手番が全く同じ状態が1局中に4回現れると千日手となる。千日手となった場合はその勝負をなかったことにする。 という規定があり、両者が相手の玉を詰めるという方向性を持って【両者はじぶんの利得をふやすよう、最善かつ最短の手をめざすというような意味】戦っている限りは上記のようなループに陥る可能性は少ない。【とはいえ、リンク先では、ルール上、千日手模様の長手数が続いた対局がいくつか紹介されていた。】 なお、あるゲームが本質的に有限性をもつかどうかということと、「コウ」や「千日手」の例外規定を設けて無限ループを回避しているから有限性をもつということは分けて考える必要があると思う。 例えば、野球の試合は両チームの得点に差が無い場合、あるいは一度もアウトをとれずに攻撃がずっと続く場合など、原理的には試合展開が無限に続く可能性を持っている。実際には、延長戦の回数制限、タイブレークの設定、あるいはコールドゲームなどによってそれを回避しているが、ゲームが本質的に有限性をもつわけではない。大相撲も同様で、本質的には土俵の上でさまざまな攻防が繰り広げられて何時間でもたたかうことができるはずだ。 もとの「有限性」の話題に戻るが、「ゲーム木が有限グラフである」ということは、場合を尽くすことが可能であるという意味になる。この場合、最適な選び方をすれば、「先手必勝」、「後手必勝」、「必ず引き分け」となる。じっさい、オセロの変形で盤の大きさが4×4あるいは6×6のケースは全て計算されており、例えば6×6のケースについて双方が最善の手順を取った場合、16対20で後手が必勝となることがその手順とともに解明されているという。どうぶつしょうぎも、両者が最善を尽くした場合)、78手で後手の勝利となることが解明されているという。将棋そのものも、先手必勝もしくは後手必勝という手筋が発見される可能性はないとはいえないが、おそらく、千日手で負けを回避する手が存在するものと予想される。【←両者が最善を尽くした場合は千日手になる】 |