Copyright(C)長谷川芳典 |
岡山駅前の3色の桃の花が見頃となっている。ここにある木は花桃ではなくちゃんと実がなるが、盗まれることがある。昨年6月は、収穫イベントの直前に300個が盗まれてイベント中止に追い込まれたというようなニュースがあった【長谷川の記憶のため不確か】。 |
【小さな話題】又吉直樹のヘウレーカ!スペシャル「この“なぜ”はほっとけない!?」(3)顔色から声色を予想する馬 少し間が空いてしまったが、3月31日に続いて、ヘウレーカ!の話題。今回は、2番目の、「人の顔色を読む?馬」について。なお番組の原題は ●馬はどうやって人の感情を読み取る? であった。 番組で紹介された実験は、馬の前で
すなわち、 ●馬は人の顔色から声色(こわいろ)も連想して感情を読み取る がつきとめられたというものであった。 このことから、 人と馬がともに長く暮らしてきて、空気を読んで人と接する馬というのが進化の過程で残ってきたという可能性は考えられるというように解釈されていた。 1番目のシジュウカラの話題が約10分間であったのに対して、この2番目の馬の話題はわずか3分程度のダイジェスト版であった。おそらく、番組制作当初は10分ものとして収録されていたものの、放送時間が45分、とりあげる話題が6件という制限の中で、やむなくカットされてしまったものと推測される。 でもって紹介された実験内容であるが、上記の実験例だけでは、単に、 ●馬は、褒める調子で名前を呼ばれた時はゆっくり反応するが、叱る調子で呼ばれた時はすばやく反応する という可能性が出てしまう。おそらく、別の条件として、
●馬は、一貫した文脈にはゆっくりと反応するが、矛盾した文脈にはすばやく反応する あるいは、 ●馬は、何度も体験している「当たり前」の変化にはゆっくりと反応するが、予想外の変化に対してはすばやく反応する と解釈することができるかと思う。 番組では「馬は人の顔色から声色も連想して感情を読み取る」と解釈されていたが、スクリーンに映し出す刺激などが人の顔以外の場合の反応の仕方を比較しないと、顔色がどの程度特異的に働いていたのかは分からないように思える。 そういば、私が大学院の頃は、レスコーラ・ワグナーのモデルが注目を集めていたが、あの理論でも「刺激呈示の文脈が意外であるほど学習されやすい」というようなことが言われていたと記憶している。 あと、「空気を読んで人と接する馬というのが進化の過程で残ってきた」という解釈であるが、人為的な品種改良が「進化の過程」と言えるのかどうかは勉強不足のためよく分からない。ま、クレバー・ハンスの事例にあるように、観客や飼い主の微妙な動きを察知しやすい馬がいることは間違いないが。 次回に続く。 |