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6月6日の続き。もともと文学部東館にあった心理学関係の施設はすべて新館に移転しており、現在は全く使われていないように見えた。廊下や階段は40年前と全く変わっていなかった。
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【小さな話題】 日本語会話から「い」が消える? 5月30日放送の、NHK「所さん!大変ですよ」で、 「日本語に異変!? 会話から“い”が消える」 という話題を取り上げていた。新元号「令和」はふりがなをつけるなら「れいわ」であるが、街角調査によると、7割以上の人が「レーワ」というように「イ」ではなく「エ」と発音しているという話であった。 日本語の漢熟語や外来語などで、語の途中にある「エイ(ケイ、セイ、テイ、デイ、ネイ、ヘイ、メイ、レイなどを含む)」が実際には「エー(ケー、セー、テー、デー、ネー、ヘー、メー、レーなど)」というように発音される現象は私自身もしばしば耳にしている。 外来語に関して言えば、例えば、
「エイ」が「エー」と発音される理由について、音声工学が専門の東京工芸大学准教授は、
表情筋を動かすのが苦手の人は、口が横に開かないため無表情、もしくは怒ったような顔つきになってしまい、「鉄仮面」というあだ名がつけられた人もいた。 番組ではこのあと、別の話題(声の高さなど)に移ってしまい、残念ながら、「イが消える」という話はしり切れトンボに終わってしまった(←「又吉直樹のヘウレーカ!」などと違って、この所さんの番組は、単なる話題紹介に終わることが多い。) でもって、ここからは私自身で考えていくほかはないのだが、まず、「イ」が本当に消えつつあるのかはもう少し証拠が必要であるように思う。 番組で紹介された例や上掲の外来語の例はすべて「エイ」が「エー」になるという変化のみであった。猫背などが原因で「イ」が消えるというのであれば、単独の「イ」のほか、「アイ」、「ウイ」「オイ」なども「アー」、「ウー」、「オー」に変化するはずである。となれば、「愛する」は「あーする」、「老いる」は「おーる」と発音されても不思議ではないはずだが、そのようは現象は耳にしたことがない。岡山でよく聞くのは、せいぜい「いいですよ」の代わりに「エエですよ」と発音するぐらいのものである。 番組では、お笑い芸人でありかつ日本語学者であるサンキュータツオ氏が、日本語会話から「イ」ばかりでなく「ウ」も消えてしまった証拠として、「おいしゅうございます」の「ウ」が消えて「おいしいです」になったという例を挙げておられた。またこうした変化は、「発音の経済効率」によって説明できるというような話をしておられた。 もっとも上述の変化は「ウ」が消えたというよりも、「おいしい」という形容詞に「ございました」をつける表現が廃れてしまったためであって、「ウ」が省略されたわけではない。同じような変化に「おめでとうございます」などがあるが、「おめでとう」の「ウ」を省略して「おめでたいです」と言ってしまったのでは相手に失礼になってしまう。 あと、スマホの使用で猫背が増えるというならば日本人だけの現象とは言えない。ネイティブ英語話者が「case」、「safe」、「mail」などを発音する場合にも綺麗な「イ」の発音が消えていくはずだと思われるのだがどうだろうか。 |