じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 昨日の日記で「近畿と関西の違い」という話題を取り上げたところであるが、10月12日(土)のNHK台風関連ニュースで、「近畿地方の情報」の中で「関西の在来線」の運行状況が伝えられていた。「近畿の在来線」ではなく「関西の在来線」とされていたのはなぜだろう。近鉄と混同されないためだろうか。

2019年10月12日(土)



【連載】
#チコちゃんに叱られる!「メロンの網目」「食欲の秋の科学的根拠」

 昨日に続いて10月11日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!の話題。本日は、
  1. 近畿と関西は、なにが違う?
  2. メロンの網目ってなに?
  3. なぜ秋は食欲の秋?
  4. なぜ水は透明?
という4つの話題のうち、2.と3.について考察する。

 まず、2.のメロンの網目は、番組では「かさぶたのようなもの」と説明されていた。番組によれば、メロンの実は受粉後しばらくは縦長に大きくなるがその時点では網目はない。受粉後15日ほどすると、皮は固くなるが中の果肉は急に横方向に成長する。そのため皮が成長に追いつけずひび割れする。そのひびを補修する「スペリン」がコルク状に固まったのが網目の正体ということであった。

 ここまでのところで網目の原因はよく分かったが、メロンの中には網目が無いものもあるし、スイカは急成長しても網目ができない。なので、なぜマスクメロンだけで網目ができるのか、について追加の説明が必要であるように思う。

 次の3.については、番組では「科学的にも食欲が増すから」と説明されていたが、この番組の解答としてはあまりチコちゃんらしくない。「科学的な根拠がある」というだけでは意外性がないし、「科学的」だけで正解とするなら、他のさまざまな疑問についても、「なぜ○○なの」に対して「科学的にも○○だから」と答えれば何でも正解になってしまうからだ。【例えば、「メロンの網目はなぜできる?」に対して「科学的にも網目ができる理由がある」と言うようなもの。】

 でもって、食欲が増す科学的な根拠であるが、番組によれば、
  1. 脳内で感情をコントロールするのに必要なセロトニンは、太陽のような強い光が目から入ることで脳幹が刺激されることで増える。
  2. 秋になると日照量が減るため、セロトニンが不足する。
  3. そうなると、身体は精神を安定させるためにセロトニンを増やそうとする。
  4. セロトニンは身体内部では作れないので、肉やチーズなどに含まれているトリプトファンを摂取しようとする。これらはパンや御飯などに含まれるブドウ糖と一緒に食べることで吸収効率がよくなる。
というように説明された。これらの説明はいかにも合理的に見えるが、
  • 現代人の中には、殆どの時間を室内で暮らし、車や地下鉄で移動する人が少なくない。これらの人が浴びる日照量は年間を通じてあまり変わらないのではないか?
  • セロトニンの不足を補うためにトリプトファンを摂取するというようなメカニズム(いわゆる「特定飢餓(spesific appetite)、specific hunger」が備わっているのかどうか精査する必要があるのではないか?【相当古いが、こちらに関連記事あり】
といった疑問が残る。人間の食欲が100%合理的、科学的に発生するのであれば、食べたい時に食べたい物を食べたいだけ食べるという生活こそが最も健康的ということになるはずだが、現実には、肥満、体脂肪増加、高脂血症、糖尿病、各種生活習慣病の原因になってしまう。
 ということで、秋口の食欲増加が、指摘されたようなプロセスでどこまで説明できるのかは疑わしく、後付けのつじつま合わせになっている可能性は否定できないように思う。

 次回に続く。