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【連載】『赤ちゃんはことばをどう学ぶのか』(14)子どもはあっという間に外国語を覚えるか?(2) 12月4日に続いて、 針生先生の『赤ちゃんはことばをどう学ぶのか』の感想。 本書によれば、「子どもはあっという間に外国語を覚えるという誤解」の原因としては、
本書ではさらに、「発達の早い時期に別の言語環境で生活するようになった子どもは、元々の母語を忘れるのも早い」という可能性も指摘されていた。一家でアメリカに移住したような子どもであれば、英語をちゃんと使えることが至上命題であって、もともとの母語を忘れてしまっても生活上の支障はない。しかし、例えば日本人の子どもが、親の駐在の関係で何年間かアメリカに住んでいたような場合は、日本語力が失われてしまうと帰国後に不利益を被ることになる。英語と日本語の本質的な違いを考慮すると、英語教育の早期導入が本当に有効と言えるかどうか、大いに議論する必要がありそうだ。 とはいえ、2カ国語あるいはそれ以上を身につける力というのはかなりの個体差があるようにも思う。一律に早期教育の是非を論じるのではなく、個々人の興味や特性に合わせて、導入して行けばそれでよいのではないだろうか。 なお、以上は外国語教育の早期導入に関わる話題であるが、このことと、漢字教育の早期導入(=幼稚園の頃から漢字熟語に親しむ環境を作る)の是非についての議論は別問題であるように思う。日本語を母語とする子どもにとっては、漢字は母語の一部であり、早期からそれに親しむことはむしろ母語の習得を助ける可能性がある。このことについては、以下を参照されたい。 次回に続く。 |