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生協食堂(マスカットユニオン)2階に、岡大のポスターと映画「屍人荘の殺人」のポスターが並べて貼られていた。人の顔の区別を苦手とする私には、同一人物が、岡大広報と映画に登場し、同じポーズをとっているように見える。
ちなみに、映画ポスターの後方にある建物はピーチユニオンと関係があるらしい。 |
【連載】『赤ちゃんはことばをどう学ぶのか』(13)子どもはあっという間に外国語を覚えるか?(1) すこし間が空いてしまったが、11月24日に続いて、 針生先生の『赤ちゃんはことばをどう学ぶのか』の感想。今回から第4章に入る。 第4章「子どもはあっという間に外国語を覚えるという誤解について」は、第3章までの知見とはやや異なり、言語心理学というよりもクリティカルシンキング的な論点になっているという印象を受けた。具体的には、「幼い頃からから外国語に触れさせておけば、子どもはその外国語を難なく身につけることができる」という俗説に対して、そんなに簡単なものではないという事例を示し、さらに、そのような俗説が生まれた背景について、クリティカルシンキング的に考察をするという内容になっていた。 ここで少々脱線するが、学術的に裏付けのある理論を否定する場合と、単なる俗説を否定する場合では、異なるロジックで反論をする必要がある。前者の場合は、議論の矛先となる理論はそれなりの証拠に基づいているので、反論する場合は、
いっぽう、俗説を否定するというのは用意ではない。そもそも俗説は、確かな証拠に基づくものではないゆえ、いくつかの反例を示したところで、「そういうこともあるし、そうでないこともある」と受け流されてしまう恐れがある。また、俗説が予測する内容はかなり曖昧であり、当たっているのか外れているのかという基準自体がはっきりしないことも多い。 本書の話題に関して言えば、「子どもはあっという間に外国語を覚える」という俗説は、必ずしも、 ●すべての子どもはあっという間に外国語を覚える というところまでは主張していないかもしれない。その場合、「あっという間には覚えられない」子どもの事例を示したところで、その一例が反例と言えるのかどうかは心もとない。仮に、100人の子どものうち90人が「あっという間には覚えなかった」としても、残りの10人の子どもが「あっという間に覚えた」とするなら、そのポジティブな部分について、より建設的な提案をする必要があるだろう。 本書の話題は、英語教育の早期導入にかかわる議論を含んでいるだけに、早急な結論は難しいように思う。 次回に続く。 |