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半田山植物園を散策したところカリンの実が落ちていた。少し傷んでおり、表面の模様が冥王星のように見える。
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【連載】#チコちゃんに叱られる!「静けさ #シーン の語源」、「 #カメ はなぜ #長生き 」 12月20日に放送された、チコちゃんに叱られる!の感想と考察。今回は2018年10月19日の再放送であり、
まず1.については、番組では「実際にシーンという音がしているから」、つまり、耳には外有毛細胞があり、雑音のような音は小さく、聞き取ろうとしている小さな話し声を大きくする働きがある。外有毛細胞は約1万2000個もあり、1秒間に2万回も震動しているという。その震動が無音状態で聞こえる「シーン」の音源になっているらしい。 興味深いのは、「シーン」という擬態語(擬音語?)を初めて使ったのが手塚治虫さんであったということ。1956年に毎日小学生新聞に連載された「ぐっちゃん」というマンガの77回目で、初めて「シーン」が使われていたという。また、さらに古くは、夏目漱石や志賀直哉が「静か」の表現として「シン」を使っていたという。 もっとも、カタカナ表記の「シーン」に似た表現に、「しいん」があるが、大辞泉では ●《副》物音一つ聞こえないようすを表す語。もの静かなさま。「―と静まり返った本堂」 と説明されている。また「しんしん(森森、深々)」には、 ●1 あたりがひっそりと静まりかえっているさま。森森(しんしん)。「夜が―と更ける」【大辞泉】 という意味があることから、番組で紹介された外有毛細胞起源説は、諸説の1つに過ぎない可能性がある。さらには、もし擬音語であるなら、外国語にも似た言葉があるはずだが、シーンに相当する言葉は耳にしたことがない。ま、オノマトペの多様さという点で日本語にかなう言語はないかもしれないが。 次の2.のカメの長生きの理由は「心拍数が少ないから」と説明された。じっさい、番組での測定実験によれば、心拍数と寿命には、
もっとも、今回測定したカメの心拍数は陸上のカメだけであった。ウミガメであればもっと活発に動くし冬眠はしないので代謝はもっと活発であるはずだが、ネットで調べたところでは、アオウミガメで甲長が60cmから90cmになるのに23年かかった例(オーストラリア)もあるらしく、なぜウミガメも長生きするのかについては、代謝&活性酸素説では説明しにくいように思える。 またオウム・インコは心拍数は、ネット情報では600回/分と記されていたりしたが【正確な数値は未確認】、京都市立動物園のキバタンのように54年間飼育されていた例もある。 一部の鳥の寿命の長さが心拍数で説明できないことについては「鳥と哺乳類では体の構造が違うから」と説明される場合があるが、ならば、カメと哺乳類はさらに構造が異なる。なのでカメが長寿である理由を心拍数だけで説明することには相当無理があるように思わざるを得ない。 なお、一般論として、動物の寿命は、老化ばかりでなく、病気のかかりやすさ、闘争(縄張り争いや、交尾相手をめぐる争いなど)による怪我、生息環境(天敵、温度、水、食物)などによって大きく影響される。カメが長寿だとされるのは、生育環境が最適であって、寿命を短くするような要因が働かなかったことも一因になっていると思う。 |