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3月18日の楽天版に写真を掲載したように、岡大構内ではアンズの花が咲き始めている。散策中、理学部のアンズの花の西側に仁科芳雄先生像の頭が見えたので像の正面に移動したところ、像の背景にアンズの花が咲くように植えられていることが分かった。積雪時の仁科芳雄先生像の写真がこちらにある。 |
【小さな話題】恐慌と景気後退の違い 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、株価の乱高下のほか、経済活動のさまざまなところに支障が出ており、なかには、思いも寄らぬ業種に影響が及んでいる。最近耳にした話題としては、
株価のほうはニューヨークではエレベーターのように乱高下を繰り返している。日本のほうは日銀のETF買い上げ(もしくはその期待)の有無にも影響されて、奇妙な振る舞いを見せている日もあるが、リーマンショック時(2008年10月27日)と今回(2020年3月16日)を比較すると、
もっとも、現時点では、まだまだ「恐慌」と呼ばれるような最悪の事態には至っていないとも言われている。3月18日朝のモーサテに出演された北野一さんによれば、過去70年の間には、「バブル崩壊」と「リーマンショック」という2回の恐慌が起こっているが、その時のTOPIXは前年比で40%以上の下落となっている。今回は今のところは20%下落のレベルであり、まだまだ景気後退の範囲にあるという。ちなみに、1990年以降では、20%レベルの下落は今回を含めて7回ほど記録されており(←どういう期間を1回と見なすかによって数え方は多少変わる)、4〜5年に一度はこういうことが起こる可能性があるとも言える。 北野さんによれば、こうした数値上の判断よりももっと重要なのは、「元に戻ることができるか(=景気後退)、それとも破綻処理(=恐慌)に至るか」という点にあるという。景気後退局面というのは、もともと正常であった状態が何らかの原因によって異常に陥る。いっぽう、恐慌というのは、もともとが異常な状態にあり、それが正常に戻ることである。確かに、バブル崩壊前やリーマンショック前の状態は明らかに異常な状態であった。いっぽう、いまのコロナショックは、もともとが正常な状態であって、それが感染拡大を防ぐための移動の制限によって異常な状態になった。この点から見ても、感染が早期に終息すれば復帰も早いという明るい見通しが出てくる。 では、「今こそ千載一遇のチャンス。株を買って大富豪を目ざそう。」と言えるのかというと、これまた楽観できないところがある。なぜなら、コロナショック前が「正常な状態」、現在が「異常な状態」という前提そのものが間違っている恐れがあるからだ。少なくともアメリカではコロナショック前には株価が最高値をつけたりして、かなりのバブル状態になっていた。確かにアメリカの経済は強いとか好景気だとか言われていたが、実は金余りによるバブル状態にあった可能性もある。となれば、コロナショック前は実は異常であって、いまのほうが正常に近い、ということは今後とうぶんの間は、それほど値上がりしないという予想も成り立つ。 ま、私のような隠居人で、あと10年〜20年程度で寿命を迎える者にとっては、今さら大富豪になってもできることは限られている。世の中の出来事にはできるだけ距離を置いて接していきたいと思っているが、経済の停滞は私自身の年金生活や医療ばかりでなく、世界人類にとっても切実な問題であるゆえ、無関心ではいられない。 |