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3月23日の朝はよく晴れて、南東の空に木星、火星、土星が輝いていた。火星は3月20日の15時22分に木星に大接近(0°43′)したあと、東側に少しずつ離れていることが見て取れる。このあと3月31日には土星に大接近(0°55′)となる。 なお、3月24日には水星が西方最大離角となるが、23日の朝は南東の空に薄雲がかかっていて眺めることはできなかった。 |
【小さな話題】大相撲、名勝負よりも理事長挨拶に感動/今後のスポーツイベントと集団免疫の可能性 3月22日の夕刻、大相撲春場所千秋楽をテレビで観戦した。大相撲は3月8日から無観客で開催され、力士などに新型コロナウイルスの感染が一人でも確認された場合は即刻中止にするという強い決意のもとで続けられてきたが、関係者の並々ならぬ努力と徹底した衛生管理のもとで、結局、一人の感染者も出さずに無事に終了にこぎ着けた。 この場所では多くの名勝負が展開されたが、力士の対戦以上に強く感動したのは、初日と千秋楽に行われた八角理事長の挨拶であった。 ...この場所を開催するにあたっては信念がありました。元来、相撲は世の中の平安を祈願するために行われて参りました。力士の体は、健康な体の象徴とされ、四股を踏み、相撲を取る。その所作は、およそ1500年前から、先人によって脈々と受け継がれて参りました。実際、無観客開催という英断によって、多くの人々が元気づけられたことと思う。 そのいっぽう、3月22日には、さいたま市中央区の「さいたまスーパーアリーナ」でキックボクシング団体の「K−1」の試合イベントが行われ、主催者側の発表で6500人が訪れたという。「K−1」については私は何も知らないし、開催を強行した経緯もよく分からないが、一般常識的にみて、この時期になんで?と思わざるを得ないところはある。運営責任者は「最大限の対応策を行うことで開催を決定した。いろんな声があると思うが、しっかり対策をして感染者が出ないようにする。もし、出た場合は迅速に対応したい」と話していたというが、「最大限の対策」とか「迅速に対応したい」と述べたところで、一企業ができることは限られている。結果として、感染者が一人も出ないかもしれないし、爆発的な感染拡大の震源になるかもしれないが、こういう行動の是非は結果論(=感染者が出なかった時は「あれは正しい判断だった」、爆発的拡大が起こった時は「だから言ったじゃないか、どう責任を取るのか?」)で評価されるべきではない。今の時期に妥当かどうか、専門家の助言のもとに同じ基準に基づいて決めるべきであろう。 さて、今後のスポーツイベントであるが、プロ野球やサッカー、さらには東京オリンピックが予定通り開催できるのか、延期する場合、どの程度延期すれば大丈夫なのか、なかなか見通しが立たない。比較的早く収束するのではないかという楽観的な見方として、
もっとも、今回の新型コロナウイルスが気温や湿度の上昇に伴って生き延びにくい環境になるかどうかはまだ確認されていないし、夏場になると冷房の効いた閉鎖空間に人々が集まりやすくなるため逆にクラスター感染が起こりやすくなる危険もある(3月14日の日記参照)。 いっぽう、2.の集団免疫については、人類が滅亡するほどの高い致死性で無い限りは、どんな感染症についてもあてはまることは確かだ。しかし、実効再生産数とか呼ばれている数式によれば、「国民の60%が感染するまで」、低めに見積もっても10%程度が感染しないと、ピークアウトには繋がらないと聞いている。いま、中国や韓国、またもしかすると日本でもそろそろピークアウトの可能性が指摘されているが、それらは移動制限や隔離といった対策が一定の効果を上げているからに過ぎず、大半の人々は未だ免疫を獲得していない。なので、他の地域から感染者が流入すればいつまた大規模感染が起こるのか予断を許されない状況が続いている。 元の話題に戻るが、夏場の屋外のスポーツについてはある程度は楽観的な見通しが立つが、うーむ、今回無観客で行われた大相撲が来場所(5月場所)に予定通り開催できるかどうかは未だ危うい。東京オリンピックについては、私自身は「無観客&ネット中継」が良いのではないかと思っていたが、これはもっぱら観客の感染予防という観点からの考えであった。しかしこれだけ感染が世界中に広がってしまうと、各国で代表を選んだり、代表選手が練習をする機会も奪われてしまう。となれば、やはり延期はやむを得ないところか。 |