じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 昨日の日記で、半田山植物園が休園となり、代替のウォーキングコースとして、法界院の裏山山頂、旭川の土手、三野公園・天神社、備前原方面往復などを検討していると述べた。
 写真は、4月23日に参拝した天神社。途中誰にも会うことがなく、感染のリスクは全く無いように思われたが、拝殿前の鈴尾(鈴緒)は手が届かないように巻き上げられていた。こんな山奥にも新型コロナウイルスが忍び寄っているとは...。


2020年4月24日(金)



【小さな話題】ポスト・コロナは元の世界には戻らない

 新型コロナウイルスの感染はさらに拡大し、ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによれば、日本時間の24日午前03時の時点で、世界全体の感染者数はで267万1024人、死者は18万6372人にのぼっているという。

 こうした拡大はまもなくピークアウトし、少なくとも短期的には、元通りの生活が戻ってくると期待されるが、中長期的に見ると、これから先の世界は今まで描かれていたのとは違った形に変化せざるを得ないのではないかと思われる。

 その理由は、今回のコロナがいったん収束したとしても、集団免疫が未だ確立せず、ワクチンや治療薬の開発に時間がかかっているという現状では、第2波、第3波がやってくるリスクは否定できない。そして、それよりもさらに怖いのは、早ければ数年後、遅くても数十年以内には、今回を上回る規模の新たな感染症が蔓延するというリスクである。

 医療技術や公衆衛生が進歩すれば、そのうちに感染症は消滅するのではないかという楽観的な見方は、今回のコロナ蔓延で完全に打ち砕かれてしまった。グローバル化が進み、かつてない規模で人々が移動するようになると、免疫を獲得できていない新型のウイルスはあっという間に全世界に広まる。これに対する検疫、隔離、治療の体制は、先進国を含めてあまりにも脆弱であることが露呈してしまった。

 もちろん、ウイルス自体には人類を滅亡させようという目的はないし、文明の発展のスピードに合わせて意図的に進化するわけでもない。しかし、除菌や無菌化が進む中で人々の免疫力が低下し、かつ、人々の「3密」が起こりやすくなってくると、そうした条件に適合して増殖しやすいようなウイルスが結果として生き残り、爆発的な感染をもたらすようになってくる。今後はおそらく、
  • 多くの人にとっては無症状、もしくは軽症。
  • 潜伏期間が長い。
  • 突然重症化する。
  • 抗体が形成されにくい。
といったタイプの新型のウイルスが次々と出現し、人類を脅かすようになるだろう。




 以上を踏まえると、これまでのような形で人々を集めて収益を得るといったビジネス、あるいはさまざまな文化活動は、これを機会に、活動の形態を一から見直す必要がある。例えば、
  • 訪日外国人観光客のインバウンド需要に依拠したビジネス
  • 多数の観客を集めて収益を得るプロスポーツ
  • 大型のクルーズ船に長期間滞在するような旅行ビジネス
  • ライブ演奏、舞台演劇など。
などは、単に、一時しのぎに支援金を受け取って収束を期待しながら耐え忍ぶというだけでは、今回はともかく、数年以内にやってくるかもしれない次の「新型」には対応できないだろう。

 一般論として、こうした「わざわい」に対処するには、
  1. 保険をかける。
  2. 蓄財により万が一に備える。
  3. 活動形態を多様化する。
という3つの方法があるように思われるが、感染症は、台風や地震の被害と異なり、規模や収束の時期が予測できないため、1.や2.で対応しきれるかという問題がある。今後はやはり、新型の感染症がいつやってきても、それに耐えうるようなビジネスモデルを構築する必要がある。具体例としては、
  • 訪日外国人だけをあてにしたような商売ではなく、国内需要を開拓したり、ネット通販とセットにしたようなビジネス。
  • 無観客開催でも、テレビやネット中継を通じて一定以上の収益が確保できるようなモデル。
  • 会場に直接足を運ばなくても現場と同じようなリアルな体験が味わえるようなSNS参加のしくみ。
などなど。

 このほか、会議のやり方なども大いに見直す必要がある。企業や大学の会議もそうだが、国会の審議なども、何も全員が会議場に足を運ばなくてもできるはずだ。