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6月11日(木)の11時、九州北部・関東甲信・北陸・東北南部の梅雨入りが発表された。画像は6月10日と11日の朝9時の天気図。↓の記事参照 |
【小さな話題】「新しい気候様式」における梅雨と台風 6月10日に中国、近畿、東海、6月11日に九州北部、関東甲信、北陸、東北南部の梅雨入りが発表され、これで東北北部と梅雨入り宣言の出ない北海道を除いて、日本の殆どの地域が梅雨入り状態に入った。 今年は梅雨入り前の晴天と、梅雨入り宣言後の雨天の変化がはっきりしており、岡山県南部の場合、梅雨入り前の6月7日から9日の3日間は、晴天が続き日照時間が9.4〜13.7時間、最高気温は29.6〜32.1℃となった。これに対して、梅雨入り後の6月10日以降は連日雨が降り、日照時間は6月10日が0.7時間、11日は0.0時間、最高気温は6月10日が25.5℃、11日が24.6℃どまりとなっている(それでも蒸し暑い)。梅雨入り宣言のタイミングは絶妙であり、「まだ梅雨入りしていないのではないか」とか「実はもっと前から梅雨入りしていたのではないか」といった異議を唱える人はまずいないだろう。 ちなみに昨年6月は、6月7日に39ミリ、6月15日に59ミリの大雨となったが梅雨入り宣言は見送られ、けっきょく確定値としては6月26日が梅雨入りであると判定された。 理科で習った梅雨入りというと、普通は、日本の南にあった梅雨前線が北上し、日本列島付近に停滞する時期を意味するが、上掲の画像が示すように、今年は、梅雨入り宣言初日から梅雨前線が日本列島や日本海側にかかっており、いきなり大雨になりそうな気配になっている。 ところで、ネットで昨年の夏の気象状況を調べてみたところ、「房総半島台風」とか「東日本台風」という聞いたことのない台風名が目にとまった。さらに調べてみると、
私にとって台風と言えば、伊勢湾台風や2004年台風23号の被害が思い出されるが、当時に比べれば、予報技術、防災土木技術、避難態勢は格段に向上しているはずであり、それにもかかわらず被害を防げなかった点を深刻に受け止める必要がある。おそらく、気象庁の予報や警報、それを受けた防災体制は精一杯に機能しており、もしそうした態勢がとられていなかったら被害は何十倍、何百倍にも広がっていたはずである。 新型コロナウイルス対策として「新しい生活様式」が提唱されているが、気象現象においてもどうやら「新しい気候様式」に変わりつつあるような気がする。原因はもちろん、地球温暖化に由来する気候変動であるが、これがどういう形で現れてくるのかは未だよく分かっていない。日本列島近辺で言えば、おそらく梅雨前線の活発化、従来とは異なる時期の台風襲来などの可能性があり、過去のデータからは確率的にはありえないような現象をも想定に組み入れた防災対策をとっていく必要がありそうだ。 しかも、今年の夏は、新型コロナウイルス感染防止策との両立という難題に取り組まなければならない。「感染と自然災害が重なった場合はどうすればよいのか?」については3月2日の日記でも考察したことがあるが、これなら安心というような名案はなかなか浮かばない。但し、避難所施設は、体育館のような大規模な密集施設ではなく、可能な限り分散化を図る必要があるだろう。100人の避難者を体育館でひとまとめに受け入れるとその中に感染者が1人でも含まれていると100人全員に感染が拡大する恐れがあるが、小中学校などの教室に20人ずつ5グループに分かれて避難してもらえば(各教室間の移動は禁止する)、感染の範囲は同じ教室内に避難した最大20人にとどめることができる。 |