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新型コロナウイルスの影響で収録できずに中断していた第70回NHK杯テレビ将棋トーナメントの放送が6月14日から再開された。感染防止対策として、対局者はマスクをつけて椅子に着用、読み上げ・立ち会い者の間は透明アクリル板で仕切られていた(将棋盤付近のみ開口)。 こうした仕掛けが感染防止にどの程度有効なのかは分からない。事前に対局者や関係者のPCR検査を実施していれば従来の対局室のセットでも十分防げるという気もするが、公共放送としては、こういう大げさな仕掛けを放送することで、将棋以外の生活場面でも三密を防ぐことをアピールしたかったのであろう。 |
【連載】又吉直樹のヘウレーカ!「ヘウレーカ流新型コロナウイルス 正しく怖がる!」(3)「SARS-CoV-2」と「天然痘」 昨日に続いて、6月3日放送の又吉直樹のヘウレーカ!、 ●「ヘウレーカ流新型コロナウイルス 正しく怖がる!」 についての感想と考察。 昨日も述べたように、ウイルスにはいろいろなタイプがあるが、今回の新型コロナウイルスは正式には「SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス)」という名称が与えられているという。いっぽう、よく耳にする「COVID-19(Corona-virus disease 2019)」というのは、「SARS-CoV-2」が引き起こす感染症のことである。番組の冒頭のあたりで、解説者の仲野先生は番組の冒頭でこのウイルスの影響がここまで深刻化するとは思っていなかった、悪くてもGWには終わるかなあという話をしていた、と述懐しておられた。 番組後半では、人類が唯一撲滅に成功したウイルスの例として天然痘ウイルスが紹介された。【人間以外のウイルスで撲滅宣言が出されたものには牛疫がある。】 天然痘の歴史としては、エジプトのラムセス5世の感染、奈良の大仏建立時の大流行などが紹介された。その後、ジェンナーにより種痘(牛痘接種)法の開発が紹介された。 このジェンナーの手法であるが、ウィキペディアでは、 しかし、のちの研究で牛痘ウイルスと天然痘ウイルスには免疫交差の作用がないことが判明した。実際には牛痘の膿に混じっていた別のウイルスによるものであり、したがってジェンナーが天然痘ワクチンを生み出せたのは偶然によるものだった。このウイルスはのちに「ワクチニアウイルス」と命名されたが、由来については長年不明だった。しかし、近年に馬痘ウイルスもしくはその近縁種であったことが判明している。という記述があった。 このほか、アメリカ大陸での天然痘感染を防ぐため、感染歴のない少年22人が船で運ばれ、渡航の途中で少しずつ牛痘を接種する形でワクチンを運んだというエピソードが紹介されたが、詳細は不明。 また、天然痘に最後に感染したアリ・マオ・マーランも紹介された。ウィキペディアによると、マーランさんは1954年生まれでソマリアの病院職員、ワクチン接種活動家。天然痘から快復したのちは、ワクチン接種活動で活躍したが、文化的拒否感や内戦のため困難をきわめた。残念ながら、2013年7月22日、マラリアによる数日の高熱の後に死亡したという。 次回に続く。 |