Copyright(C)長谷川芳典 |
大相撲7月場所千秋楽、前頭17枚目の照ノ富士が関脇・御嶽海に勝って13勝2敗で2回目の優勝を果たした。 照ノ富士は大関昇進時には横綱候補とも言われていたが、その後、ひざのけがや糖尿病などのため10場所中、9場所を休場して序二段にまで番付を下げ、そこから大相撲界のレジェンドと言える復活を果たした。 休場が続くなか、テレビのCMからも姿を消し、すでに引退しているのかとも思われたり、在留資格などの個人的事情で形式的に現役を続けているのではないかと言われたりもしていたが、そういう間にも努力と精進を重ね、ここまで復活できたことは、同じように怪我に苦しむ他の力士たちばかりでなく、大相撲以外の世界で困難に立ち向かっている人たちへの大きな励みになると思われる。 大相撲は、単に優勝争いや技の切れ味を観戦するものではない。力士が困難に立ち向かい克服している姿は、多くの人々に希望を与えている。 写真は、照ノ富士の出身地モンゴル・ウランバートルの中心にあるスフバートル広場。 |
【連載】新型コロナ感染拡大と「感染7段階モデル」(5)「感染者が少ない」ことと「重症化しにくい」ことの違い 昨日の続き。 8月2日の新型コロナウイルスの新規感染者数(陽性確認者数)は1332人で5日連続の1000人超えとなった【2020年8月3日 1時31分配信のNHKまとめ】。また、最近の傾向として、感染者が、大都市ばかりでなく地方にも広がっている点を上げることができる。8月2日19時47分配信のNHKまとめによると、8月1日までの直近1週間の感染者数を人口10万当たりで比較した結果は、
...感染者が多数確認されているのは、北海道、新潟、南関東4県、愛知、京阪神3県に過ぎない。東北6県、北関東、中部地方の一部のほか、特に注目したいのは、中国・四国地方9県と、九州・沖縄地方8県での感染が極めて少ないことである。というように、「中国・四国地方9県と、九州・沖縄地方8県での感染が極めて少ない」と指摘したことがあったが、現状ではむしろ、九州・沖縄での感染拡大が顕著になっているようにも見える。こうしてみると、3月頃とは異なる、アジア地域の人々が感染しやすい別の型のウイルスが広がってきた可能性もある。もちろん夏場のエアコン使用により、密閉空間に過ごす時間が増えたことも一因にはなっていると思う。 さて、本題に戻るが、日本で感染者が少ない(←もはや、過去形か?)理由として、当該記事は、 自然免疫で治る人の比率が欧米より日本人(アジア人)のほうが高く、その結果「軽症以上の発症比率」が低くなるが、抗体陽性率も低くなる。自然免疫力(特に細胞性免疫)の強化にBCGの日本株とロシア株が関与した可能性は高いとみている。と説明されていた。この説明は、少し前のデータの数値にはよく当てはまっているようだが、最近の日本国内での感染者数(陽性確認者数)の急増を説明することはできない。また、ここが重要なポイントだと思うが、「感染しにくい」ことと「重症化しにくい」については論理的な組み合わせとして次のいずれかが考えられる。
厳密に言うと、上記は、「感染しにくさ」には違いがあるが、いったん感染してしまったら重症化する率は変わらないということを前提としている。これ以外の可能性として、「感染しにくい人は、感染しても重症化しにくい」という可能性と、「感染しにくい人がいったん感染してしまうと逆に重症化しやすくなる」という可能性も残っている。 次に2.の場合であるが、同じく人口1000万人の国A、Bがあったとする。但し今度は、A国とB国の感染者数はそれぞれ1万人で変わらない。しかし、重症者はA国が100人、B国は10人というようになる。このケースでは、B国の人たちが重症化しにくい理由は「感染しにくい」原因とは別にあることになる。 日本人は自然免疫力が高いから、BCG接種効果の可能性がある、といった指摘は、それが正しいとしてもあくまで「感染しにくさ」の説明にしか使えない。もし日本人に重症化しにくいファクターXがあるなら【仮定ではなく医学的な根拠が必要】ありがたいところだが、もしそうでない場合、つまり、感染者数に単純比例して重症化するということであったとすると、最近の感染者数急増は重症者数急増の前触れということになり、一刻の猶予も許されない緊急事態になっている可能性がある。 次回に続く。 |