じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 8月12日から半田山植物園の入口に検温装置が設置された。最初はどうやって測るのか分からず、液晶面におでこを近づけたりしてみたが、説明をちゃんと読んだところ、写真星印のところに手のひらを近づけて測定するということが分かった。私の体温は36.5℃で「正常な体温です」と判定された。
 なおこの装置は試行的に設置されたものであるという。植物園入り口にはこのほか、数ヶ月前よりペダルを押して手指を消毒する装置も設置されている【写真の矢印】。若干疑問なのは、私が訪れる時間帯は、入園者が殆ど居ないということ。8月12日は猛暑日ということもあって結局誰にも会わなかった。なので、私が感染していたとしても、園内で他の人に感染させるリスクはゼロとなっており、消毒や検温は意味が無さそうに思える。

2020年8月12日(水)



【連載】新型コロナの感染の広がり方とPCR検査の問題(1)PCR検査は何のためにするのか?

 8月5日までの連載で、高橋泰教授の「感染7段階モデル」を取り上げさせていただいたところであるが、今回からはその続編として、同じ『東洋経済』に続編として掲載されている、

高橋泰教授が新型コロナをめぐる疑問に答える 暴露と感染の広がり方、PCR検査の問題を解説

について素人なりの感想を述べさせていただこうと思う。

 本題に入る前にPCR検査について一言。日本国内ではこのところ、PCR検査の陽性確認者数が急増しているが、そもそもPCR検査は何のために行っているのだろうか。検査目的として考えられるのは次の3つであろう。
  1. 陽性となった人に適切な医療措置を行い、当人の命を救う。
  2. 陽性となった人を隔離し、他の人たちへの感染を防ぐ。
  3. 陰性を確認することで、その人が安心して仕事に従事したり旅行などに出かけられるようにする。
しかし、1.については、陽性であるからといって直ちに入院するわけではなく、しかも、以前は、症状が何日か続かないと検査を受けることさえできなかった。いずれにせよ、陽性になったからといって直ちに手厚い医療措置が受けられるわけではない(←政府要人や皇族や大富豪は別だろうが)。

 次の2.だが、感染の初期段階であればこの隔離はきわめて有効。しかし、現時点では、少なくとも大都市では市中感染が広がっており、検査陽性者を隔離したからといって、その一方で検査を受けていない感染者(無症状者を含む)が街中を多数行き来しているのであれば、陽性者だけの隔離は殆ど意味はなさそうに思える。

 最後の3.だが、私が理解する限り、PCR検査で陰性であることは検査日に感染していなかったというだけの証明であり(偽陰性もあるが)、「今は感染していません」、「これから先も感染しません」ということの保証には全くならない。検査会場で感染することだってある。3.を目的とするなら、PCR検査ではなく抗体検査を行うべきではないか。

 そう言えば、数日前、島根県の私立高校でサッカー部員など90人以上が集団感染したというニュースがあった。これについてある民放のコメンテーターが、「(感染した)サッカー部員は、快復したあとは(再び感染する恐れが無いし、他の人にうつす恐れも無くなるので)堂々と遠征できる」というような発言をされていたが、これは少しおかしい。感染した生徒たちはいずれ快復して陰性になるが、抗体を持っていなければ再感染のリスクは変わらないはずだ。

 それと、タレントの石田純一氏(66)が、7月下旬に福岡を訪れてスポンサー筋とゴルフや飲み会に興じていたとか、20代女性Aさんとホテルに泊まったとかいった噂が伝えられているようだが、純粋に新型コロナの問題だけに限って是非を問うならば、石田純一氏が4月に感染しその結果として抗体を保有しかつ現時点でPCR陰性となっているのであれば、ご本人自体が他者と濃厚接触すること自体は何ら問題無かろうと思う。飲み会参加者が石田氏以外に2人以上おられたとすれば、それらの人たちの間で相互に感染させるリスクはあるが。【もちろんこれは、新型コロナの問題に限った話であって、家族関係やタレントとしてのイメージにどういう影響を与えるのかは別問題である】

 いずれにせよ、検査対象の基準(=サンプリングの基準)すら一貫していないなかで、陽性確認者数の推移に一喜一憂したり、PCR検査で何が分かるのかが理解できていないままに検査実施体制の強化を叫ぶというのは、どうだかなあという気がする。

 次回に続く。