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8月7日の夜、月齢15.8の月、木星、土星を眺めることができた。空全体に薄雲がかかっており、月の出からしばらくしてボンヤリした月が少しずつ輪郭をはっきりさせながら昇ってきた。木星と土星は肉眼では十分確認できたが、コンデジでは木星のみが写っていた。 |
【連載】新型コロナ感染拡大と「感染7段階モデル」(8)最近の感染再拡大、重症化、ピークシフト戦略 昨日の日記の続き。 まず、最近の気になるニュースの1つとして、 ベトナムで感染力強い型のコロナ流行か 首相「拡大防止へ重要な時期」(8月3日18時09分配信、毎日新聞) というのがあった。ベトナムは感染防止対策に成功した国として知られていたが【感染者数は8月3日現在で621人、8月5日現在で672人、死者は8人】、7月25日に中部の観光都市ダナン市で約3カ月ぶりに市中感染が確認され、同31日には初の死者も発生。3日現在の死者は6人となっているという。ベトナム保健省によると、患者から採取したウイルスの遺伝子は、これまで国内で発見された5種類の新型コロナウイルスとは型が異なり、感染力が強いタイプだという。 このほか、実質鎖国状態により感染の封じ込めに成功したと思われていたオーストラリアでも、最近では感染者数、死者数が急増していると聞く。 少し前の「タモリ×山中伸弥 人体 VS ウイルス〜驚異の免疫ネットワーク〜」でも、エクアドルで警報物質の産出量を20分の1に抑えてしまうタイプのウイルスの変異が発見されたという。 日本では、8月5日に新たに1351人の感染が確認され、累計でのべ4万2807人(クルーズ船乗客を含めると4万3519人)、死者1028人(クルーズ船乗客を含めると1041人)になっているというが、最近の感染者数急増ももしかすると、感染力が強いタイプの出現によるものかもしれない。単にPCR検査で陽性者を把握するだけでなく、ウイルスの型についても精査することが急務と思われる。 もう1つ気になったのは、後遺症の問題である。後遺症は免疫系の異常のほか、腎臓、肝臓、脳の髄膜、脳そのものにも感染することが分かってきたという。また、これに関連して、鼻から採取した検査では陰性だが肺のサンプルでは陽性というケースがあるという【いずれも、8月6日朝のモーサテ、自治医科大学の讃井教授の話】。こうなってくると、症状が快復して陰性になったというだけでは安心できないし、かつ、いったん陰性と判断された人が再び症状が悪化したり、他の人に感染させてしまったりという恐れも否定できない。 さて、本題に戻るが、リンク先の最終ページで高橋泰教授は、現状と今後の方向について
最近の政府の自粛緩和方針は、高橋泰教授の御主張に実質的に近いように思われる。そもそも感染者数がのべ4万人を超えている現状では、天然痘のように感染ゼロまで封じ込めるということはどうみても困難と思われる。となると、次善の策は、新規感染者のピークをできるだけ先延ばしし、かつピーク時の山の高さ(新規感染者数の最大値)をできるだけ低くすることによって医療崩壊を防ぐということしかない【「ピークシフト戦略」】。現時点ではギリギリのところで、この方針が貫かれているように思われる。 しかし、上記のベトナム、オーストラリア、エクアドルなどの例や、後遺症の問題などをふまえると、新規感染者数の増減ばかりに一喜一憂し、飲食店の営業時間を短縮するというような措置をとるだけでは不十分。高橋泰教授の「感染7段階モデル」は、いっけん「日本人は感染しにくいし重症化しにくいから大丈夫ですよ。高齢者以外の行動制限は不要」と言っているように思われるが、そうではなくて、モデルで仮定された数値が、ウイルスの変異によって変わる危険性についてもっと注意をしなさい、ということではないかと思われる。ということで、もう一度、記事の最終部分を引用させていただき、この連載を終了とする。なお、この記事の続編として高橋泰教授が新型コロナをめぐる疑問に答える 暴露と感染の広がり方、PCR検査の問題を解説という記事が公開されている。これについてはまだ拝読できていない。 第2波が来たと判断したら、最初にやるべきはPCR検査の拡大ではなく、ウイルスの遺伝子解析だ。従来と同じ型のものなのか、違うものが来たのかを判別することが重要だろう。感染者を捕まえて隔離することより、感染パターンを把握することが重要だ。感染力が上がったのか、毒性が強まって死亡率が上昇するのか。それに応じて対策も変わる。感染7段階モデルのようなものを作っておくと、そうした議論をすることが可能になる。 |