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昨日に続いて、月、木星、土星の接近の様子。12月17日の月齢は2.7。月と木星は13時29分に2°55′、月と土星は14時09分に3°04′まで接近した。なお、小型の望遠鏡では全く見えないが、同じ方向には冥王星もあり、月と冥王星は04時01分に1°46′まで接近している。 |
【連載】「刺激、操作、機能、条件、要因、文脈」をどう区別するか?(36)杉山尚子先生の講演(1) 一ヶ月ほど間が空いてしまったが、11月16日に続いて表記の話題について考察する。今回からは、12月15日から有料で公開されている、 ●杉山尚子先生(星槎大学)×武藤崇(同志社大学)による対談:「随伴性ダイアグラム」をめぐる冒険 についての感想と考察。 ところでこの種の動画は著作権の制約があり、その内容についてどこまで立ち入った引用ができるのか?という問題が出てくる。図版のスクリーンショットは禁じられているので、当然、その図版についてコメントすることは難しい。また、ご発言の内容を、必然性のある範囲を超えて引用することも慎むべきであろう。 もっとも、参加費を払った人たちの中だけでしか議論できないとなると、内輪の世界だけにとどまってしまって、せっかくの価値ある話題提供内容を学問の発展に活かすことができなくなってしまう。こういうオンライン企画は、資料として保存し、学術雑誌と同様に、できれば無料公開、もしくは少額の利用料を払うだけでいつでも視聴できるシステムを構築してほしいと思う。 さて、今回のオンライン企画であるが、提供されている内容は、杉山先生お一人による講演が1時間22分、杉山先生と武藤先生による対談が2時間18分という二部構成になっていた。私は、後半の杉山×武藤対談についてはまだ全く視聴していない。両方を視聴してから感想を述べようとすると、私自身のオリジナルの視点が武藤先生の発言に引きずられてしまう恐れがあるためだ。まず、私なりの考えを先に述べておいて、あとから武藤先生のご発言を拝聴すれば、私自身の理解の足りないところや、一致している部分がより明確になるであろう、と思ったからである。 ということで、まずは杉山先生の講演部分について感想を述べさせていただく。 まず表題に含まれている「随伴性ダイアグラム」であるが、杉山先生によれば、随伴性ダイアグラムの「diagram」というのは、辞書的にみても、図表、図形、図解というような意味であり、「行動随伴性」だけの表現系ではないと指摘された。また、ABC分析という言葉は、応用行動分析の中で広まった呼称であるが、もともとのルーツや、その普及に貢献した研究者がどなたであるのかについては、まだ不明確な点があるという。じっさい私自身も、もともと動物実験で卒論研究をしていたこともあって、ABC分析というのはだいぶ後になってから耳に入ってきた呼称であった。ということで、論点の中心は、三項随伴性vs行動随伴性、ということになる。 ちなみに、行動随伴性は「行動とその結果」という点では二項随伴性であるが、ダイアグラムでは、 直前→行動→直後 というように実質は三項で表現されている。これは、行動によって何が変化したのかを示すためには、直前の状態と、直後の状態の両方を記述する必要があるため。また、これによって、行動の直後の変化が、何かの事象の「出現」であるのか「消失」であるのかを区別することもできる。但し、区別は必要ないという考え方もあるという。 ここからは私の考えになるが、行動随伴性でいうところの「直前」は、弁別刺激や確立操作、あるいは一部の学派で提唱されている「セッティング事象」とは明らかに異なる。あくまで、当該の行動によって、何が変化したかをとらえる上で、変化する前の状態が「直前」ということである。 確かに、自由に餌を食べられるような状況のもとで、「レバーを押せばエサが出る」という行動随伴性を設定しようとしても、ラットは頻繁にレバーを押すようにはならない。なぜなら、スキナーボックスの中では常時エサが供給されており、レバー押しをしてもしなくても何の変化も起こらないからである(餌がポロッと出てくるという景色と音はあるかもしれないが)。というように考えれば、 ●餌無し→レバー押し→餌あり 【強化】 と、 ●餌あり→レバー押し→餌あり 【行動しても何も変わらないので、消去】 は区別できる。 不定期ながら次回に続く。 |