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半田山植物園で見かけたモミジバフウ(アメリカフウ)の大量の実。自然に落ちただけではこんなに積もることはない。道路上に落ちた実をブロワー(落ち葉や刈り草などを吹き飛ばす掃除機)で吹き飛ばしたものを思われるが、それにしてもスゴい量だ。 |
【小さな話題】共通テスト(数学)雑感 昨日に続いて、2021年度大学入学共通テストの話題。今回は、数学関連科目について感想を述べさせていただく。 その前に、今回のテストでは、都内の会場でマスクから鼻が出た状態だった40歳代の受験生1人が、監督者から鼻を覆うよう試験中に6回、さらに休憩時間も注意されたものの正さず、不正行為と認定されて成績が無効になるケースがあり、話題になっている。この受験生は、最終的に不正を告げられると会場内のトイレに閉じこもり出て来なかったことから、かけつけた警察官によって退去させられたという。40歳代がチャレンジすることは大いに結構だと思うが、受験生心得に反し再三の注意に従わず、トイレに閉じこもったことについては、何らかの特殊なこだわりがあったのではないかと推察される[※]。 [※追記]1月19日10時31分配信のNHKオンラインニュースにその後の情報が記されていた。 ...初日の16日に東京 江東区の会場でマスクから鼻が出た状態で試験を受けていた受験生が、監督者から鼻を覆うよう試験中に6回とさらに休憩中にも注意されたものの従わず、不正行為と認定されて成績が無効になりました。 このほか、数学で参考書を縮小コピーしたカンニングペーパーを使った受験生が失格になったというニュースもあったが、そもそも数学の問題を解く時に、参考書の縮小コピーが役立つとは思えない(全く同じ問題が出題されるか、覚えにくい公式を使う問題がでるなら別だが)。 さて、センター試験と比べて今回の共通テストは思考力や判断力を重視しているというが、そもそも数学は学習指導要領にあるように論理的思考力を養うための科目であり【2020年9月20日の日記参照】、今回、今までと異なるどのような問題が出題されるのか興味が持たれるところであった。 ざっと問題を見渡したところ、まず、数学T・数学Aの第2問(数学Tでは第3問)で、陸上競技や就業者割合といった具体的なデータに基づく問題が出題されているのが目にとまった。純粋数学が得意な受験生は逆に、データの読み取りが煩わしかったのではないかと推察される。 数学U・数学UBの第3問には、「直前の1週間の読書時間」という興味深い問題が出題されていた。ここからは問題内容と全く関係のない私見になるが、読書時間の分布を分析するにあたって、「全く読書をしなかった人」つまり0時間というデータを読書時間の分布に含めるべきかどうかは議論する必要があるだろう。分析の目的にもよるが、「全く読書をしなかった人」と「読書をする人」の比率は定性的な分析であり、読書時間の分布に関する定量的な分析とは分けて考える必要があると思う。また、「読書」対象に、マンガ、ネット上のコンテンツを含めるかどうかも難しいところだろう。これまた目的にもよるが、読書時間が長いか短いかではなく、何が読まれているのかが最も重要な分析対象になるのではないかと思われる。 それにしても、信頼区間の推定などというのは、私の世代では高校ではなく、大学の統計学の授業で初めて教わる内容であった。共通テスト問題として出題されるようになったとは、時代も変わったものだ。 もう1つ、「情報関係基礎」にはなかなか興味深い問題が多かった。この科目は、志望大学によっては「高等学校、中等教育学校、高等専門学校又は文部科学大臣の指定を受けた専修学校の高等課程において、これらの科目を履修した者でないと選択解答できない」という規定があるらしいが、けっこう面白い問題が多い。なお私は文学部の教員であったが、確か、この科目が選択できるようになっていたはずである。 |