Copyright(C)長谷川芳典 |
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2月22日の朝、備前富士(芥子山)の頂上から日が昇る「ダイヤモンド備前富士現象」を眺めることができた。今年は晴れの日が続き、日の出の方位の日々の変化を実感することができす。
なお夜明け前、双眼鏡で東南東の空を眺めたところ、水星(左側)と土星(右側)がほぼ同じ高さで光っており、水星の左下の薄明の中には木星が昇ってくるところを確認することができた。但し、肉眼での確認は難しい。 |
【連載】「刺激、操作、機能、条件、要因、文脈」をどう区別するか?(56)杉山尚子先生の講演(21)杉山×武藤対談(6)Keller & Schoenfeld (1950) 2月20日の続き。 対談の中で、 Keller,F.S & Schoenfeld,W.N. (1950). Principles of behavior: A Systematic Text in the Science of Behavior という本が、スキナーの考え方を広める上で大きな役割を果たしたというような話があった。スキナーの最初の本: Skinner, B. F. (1938) The behavior of organisms: an experimental analysis. New York, Appleton-Century-Crofts. は、刊行当時はあまり売れず、むしろ、その5年後に刊行された、 Hull, C. L. (1943). Principles of behavior. New York: Appleton-Century. のほうが注目を集めていたらしい。 ここまで書いたところで気づいたのだが、上掲のKeller & Schoenfeld (1950)とHull (1943)の本のタイトルのメイン部分はどちらもまったく同じ『Principles of behavior.』となっているところが興味深い。 Skinnerの影響力がHullを上回るようになった一因としては、Hullが1884年生まれ、1952年没であったのに対して、Skinnerは1904年生まれ、1990年没となっていて、Hullのほうが先に亡くなったことにあるようにも思われる。じっさい、Skinnerの主要な著書は1950年代から1980年代に刊行されており、その中ではHullのやり方への批判も多く含まれているが、Hull自身はすでに亡くなっていたため、反論することはできなかった。 Hullの理論は今では心理学史の一資料になりつつあるように思われるが、1972年には、Hullの習慣強度成長関数に酷似したモデルとしてレスコーラ・ワグナーモデルが提唱され、学習心理学の研究者の間で大きな注目を集めた。私自身も、一度、関西学院大学で行われたレスコーラの講演を拝聴したことがあった。そのレスコーラも昨年春にお亡くなりになった。 もとの話題に戻るが、私の手元にあるKeller & Schoenfeld (1950)の本は、B. F. Skinner Foundationにより1995年に刊行された復刻版であり、前書きの1番目はSidmanが担当している。 不定期ながら次回に続く。 |