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少し前のニュース番組で、雑草の花をスマホで接写しSNSで公開する人が増えているというような話題を取り上げていた。雑草の小さな花も接写・拡大すると美しく見えるようになる。その際に人気の花の1つとして紹介されたのがキュウリグサであった。確かに接写すると、花の形やパステル調の色合いに趣がある。 |
【連載】まいにち養老先生の名言(4)ときどき まる スペシャル その2 薬師如来 3月16日に続いて、養老先生の番組の話題。 昨日の日記で、スペシャル番組の1シーン、養老先生が覚園寺(かくおんじ)を訪れる場面について、「一度視た記憶があるが、どの回だったか未確認」と書いたが、その後、ダビングした「レギュラー番組への道」シリーズをチェックしたところ、「冬を仰ぐ」の回でちゃんと放送されていることが確認できた。 このシーンで印象に残ったのは、覚園寺の住職さんがご本尊の薬師如来について、 ●もし けがとか病気になってしまっても 前に進む力を与えてくれる仏さま と説明しておられたことであった。お寺の公式サイトの中でも ●元気で、心身ともに健全でありつづける、病になってしまったらそれをのりこえる癒やしの力を与える というように説明されていた。 世俗的な感覚から言えば、薬師如来は病気や怪我を治してくれる仏さまであり、ウィキペディアでも、 この世門における衆生の疾病を治癒して寿命を延べ、災禍を消去し、衣食などを満足せしめ、かつ仏行を行じては無上菩提の妙果を証らしめんと誓い仏と成ったと説かれる。瑠璃光を以て衆生の病苦を救うとされている。無明の病を直す法薬を与える医薬の仏として、如来には珍しく現世利益信仰を集める。と記されているが、覚園寺の住職さんの言葉は、薬師如来は「(肉体的な意味での)病気」を治してくれるのではなく、病気になってしまった場合でも、そのことに打ちひしがれることなく、心の平安と前向きな生き方に導いてくれる仏さまであるという点を強調しておられたように感じた。 もちろん、病気や怪我は、可能な限り防ぐことが第一であり、そうなってしまっても治せるならそれに越したことはないが、高齢になるにつれ、現代医学の力では及ばないような不治の病に罹らざるを得なくなっていく。そういう時に「神さま、仏さま」に頼ろうとしても、病気そのものが奇跡的に治るということは、まずない。「病気=不幸」という固定観念を捨て、病気になってしまったことを受け入れた上で、その前提のもとで前向きに生きるということが大切であるように思う。 そう言えば、四国八十八ヶ所の結願寺の大窪寺の薬師如来は、薬の壺の代わりにホラ貝を持っているという。このホラ貝は「人々の悩みや心の霧をホラ貝で吹き払うため」とされているようだが、もしかすると、「病を患ってもへこたれず、前に進め!」という出陣の合図を象徴しているのかもしれない(←たぶん、違う)。 不定期ながら、次回に続く。 |