じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 半田山植物園では、3月11日にウグイスの初鳴きを確認しているが、3月14日にはヘビも出現。ますます春らしくなってきた。

2021年3月16日(火)




【連載】まいにち養老先生の名言(3)ときどき まる スペシャル その1

 少しあいだが空いてしまったが2月6日に続いて、養老先生の番組の話題。

 前回取り上げたあと、3月13日には、

まいにち 養老先生、ときどき まる スペシャル

という番組が放送されていた。

 「まいにち 養老先生」のシリーズには、「レギュラー番組への道」と称して、「春を歩く」、「春を思う」、「めぐる春」、「秋を漂う」、「冬を仰ぐ」、「冬を送る」といったサブタイトルのついた回があるようだが【2月1日の日記参照】、私が録画できているのは、「めぐる春」、「冬を仰ぐ」、「冬を送る」の各30分、3回分だけであった。今回の番組は、12月に永眠した猫「まる」を中心に、90分の枠の中で、各回をダイジェスト化したような内容であった。

 私の記憶が正しければ、スペシャル版で初めて拝見したエピソードは、
  1. 養老先生が6月に、検査のつもりで病院に行ったところ、心筋梗塞が見つかりICUに入院した。
  2. 養老先生ご夫婦が、「モダンチャイニーズ」でお食事
  3. 脳の報酬系についての話
  4. まるが体調をくずし、獣医さんに診て貰った話【いったん回復】
  5. 覚園寺(かくおんじ)【一度視た記憶があるが、どの回だったか未確認】
などであった。

 このうち1.では、手術を終えたあと、ICUのベッドで、大型モニターにお地蔵さん5人ぐらいがお迎えに来たという幻覚を見たという話をされていた。「聖衆来迎図」のような極彩色ではなく、地味な格好のお地蔵さんがテレビから出てきたということで、昨今のリモート、経費削減になっているという面白い話があった。
 私個人は、まだそういう幻覚を見たことはない。私の場合は、そうなった時はたぶんチベットの風景が浮かんでくるものと思われる。もっともそれが「聖衆来迎図」なのか、不衛生なニイハオトイレの光景なのかは、その時になってみないと分からない。
 いずれにせよ、養老先生に長生きしてもらうためには禁煙が一番だと思うが、たぶん実行してくれないだろう。

 2.については特に「名言」は無かったが、奥様が「たけしさん」と呼んでおられることが確認できた。

 3.は、「外出をしたらダメ、というのがストレスになるのはなぜですか?」という問いに答えたもので、
脳には報酬系というのがある。「ドーパミン回路」は報酬を手に入れると脳が喜んで快楽物質を出す。ドーパミン回路は予定どおりの報酬が入ってきてもちっとも活性化しない。報酬予測誤差といって、このくらい、こういう報酬が入ってくれば活性化するっていうのが(予測が)ズレると活性がもっと大きくなる。じっとして家にいると当然のことしか起こらないので、報酬系が活性化しない。
新しいものを追いかけるのは動物の習性。人間は非常に強いと言われている。根本にあるのはMore(もっと!)。そうでない報酬系もある。セロトニン、オキシトシン。英語ではHere&Now「今・ここ」、そういうものから受ける快感。恋愛が典型だが、最初は非常にドーパミン系が動く。それが日常に収まっていくためにHere&Nowに切り替わる必要がある。
動物もMore(もっと)という回路は持っているが、まるにはそういう感覚がない。完全にHere&Now。【長谷川のほうで、改変あり】
というようなお話であった
 私の場合も、確かに、「外出はダメ」は、旅行ができないという点で一定のストレスになった。若い頃からいろいろな旅行に出かけたのは、まさしく、More(もっと!)。科学や数学について新しいことを学ぶという「じぶん更新」の精神も同様である。
 もっとも、歳をとればとるほど、体力も知力も衰えていくので、いつまでも、More、More、と望むわけにはいかない。それよりも、きのうと同じ日常を過ごせる喜びのほうが大きくなりつつあることは確かである。

 不定期ながら、次回に続く。