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「接写で楽しむ雑草の花」。今回は、セイヨウカラシナ【写真左の列】とセイヨウアブラナ【右の列】。花の形はよく似ているが、葉の基部が茎を抱いていればセイヨウアブラナ、茎を抱かず葉柄がついていればセイヨウカラシナとして区別できるようだ。こちらに、より詳細な解説あり。 なお、岡山では、かつては旭川土手や津山線の線路沿いに多数のセイヨウカラシナが繁殖していたが、最近は駆除が進みあまり見かけなくなった。セイヨウアブラナは、花期の長い品種が花壇で育てられているのを見かける。 |
【連載】サイエンスZERO『びっくり!魚は頭がいい』その5 コンビクトシクリッドの「思いやり」と「意地悪」と「妻の目を気にする行動」 昨日に続いて、4月18日に放送された『びっくり!魚は頭がいい』の感想と考察。本日が最終回。 昨日取り上げたホンソメワケベラのミラーテストだが、追加実験では、 ●鏡像認知ができたホンソメワケベラは、最初のときより断然早く鏡であることに気付けた。 ことも分かったという。これについて、小島瑠璃子さんは「自分の顔はこんな顔と分かったからということですか? だから早くなるんですね。もう、すぐ自分だという認識ができる。」とつぶやいておられ、幸田先生もその通りだと肯定しておられた。 このやり取りは、いっけん、誰でも納得できそうな分かりやすいようにも見えるが、そのいっぽう、擬人的解釈に惑わされているようにも思える。4月25日の繰り返しになるが、私自身は、以下のように考えている。
番組の終わりのところでは、幸田先生の研究グループが行っている最新の研究が紹介された。この実験に使われたのは、コンビクトシクリッドという淡水魚であり、いちどつがいになると、同じペアで何度も繁殖を行う習性がある。実験の概要は以下の通り。
さらに紹介された別の実験では、
ここからはまた私の考えになるが、まず、幸田先生や研究室の皆さんが、魚を使ってこれだけの画期的な成果を上げられたことには敬意を表したいと思う。また、利他的な行動の進化についての解釈もある程度は納得ができる。しかし、魚が「場の状況を理解する」、「心の動きがないとこういう結果にならなそう」、「自己意識が4億年前にもあった」といった説明は、一般視聴者向けに専門用語を素朴心理学的に翻訳したという面はあったにせよ、やはり納得できないところがある。 オリジナルの論文を拝読していないので正確なところは分からないが、上掲のコンビクトシクリッドの実験で、オスが赤い部屋を選ぶか青い部屋を選ぶかということは、行動分析学的に言えば、それぞれの部屋に入る行動がどういう結果によって強化、あるいは弱化されたのかということに尽きる。なので、思いやりがどうだとか、ライバルに意地悪するということではなく、選択行動を強化、弱化した結果、つまりどういう環境変化が生じたのかを克明に記録することが肝要かと思う。 そうしてみると、まず、どちらの部屋を選んでも、オスが受け取る餌の量は変わらない。なので、選択行動を左右する要因は、それに付加された結果、つまり、どちらかの部屋を選択した直後に、つがいのメス、もしくは見知らぬオスやメスが、どういう動きをしたのかを克明に調べる必要がある。 ここからは私の推測になるが、オスにとっては、縄張りの中にいるメスが同時に餌を食べたり、食べ終わって満足した状態になるような動きをとることは、それ自体、プラスαの強化因になっているに違いない。なので、オスは、別段、メスを思いやるとか養うという見通しのもとに青い部屋に入るのではない。単に、青い部屋に入った時に、プラスαとなる好子(強化子)が随伴したから、そちらを選ぶようになるのである。 いっぽう、縄張りの中に入ってきた別のオスが餌を食べるということは、餌を奪われた状態であって、これはおそらく嫌子(弱化子)の随伴になる。 縄張りの中で、見知らぬメスが餌を食べ、かつ、つがいのメスが餌を食べられずに暴れていたというのは、おそらく嫌悪的な眺めになる。 要するに、オスが青い部屋を選ぶか赤い部屋を選ぶかというのは、選んだ直後に、他の個体がどういう動きをしたのかという結果によって強化されたり弱化されたりするだけであって、それ以上に擬人的な説明を付け加えたところで、行動の予測と影響という点では、冗長な解釈に終わってしまう、と言わざるを得ない。 利他的な行動がどう進化したのかという点については、番組の説明に特に異論はないが、「心の動きがないとこういう結果にならなそう」とか「自己意識が4億年前にもあった」という仮説については、私自身は納得できなかった。何度も言うが、自己意識の起源は、(恣意的に設定された関係反応が派生するという意味での)言語行動と視点取得に起源を求めるべきであろうと私は思う。 |