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5月8日の岡山は、黄砂が飛来し、午前10時時点で、「視程」が9キロメートルとなり、見通しが悪くなった。写真は8日の日没後の様子。 |
【連載】#チコちゃんに叱られる!「ガッツポーズの由来と生理的機能」「不動産広告の徒歩○分とは」 5月8日(土)朝に初回放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。なお、金曜日夜の放送枠は、新型コロナ関連番組のためカットされた。 今回の放送では、
まず1.のガッツポーズについては、「このあとも頑張るぞ!」という印(しるし)であると説明された。運動神経科学を専門とする大築立志名誉教授(東京大学)は、まず、
ちなみに、番組に登場したガッツ石松さんによれば、1974年に世界チャンピオンを獲得した時の両手を挙げたポーズは、やったぞーっというバンザイポーズであって、この次また頑張ろうというポーズではなかった。しかしグローブをはめていたので、パーのように手を広げることができなかったとのこと。なお、番組によれば、「ガッツポーズ」という言葉は、1972年に『ガッツボウル』という週間ボウリング雑誌に登場したのが初めてだと言われているそうだ。 ここからは私の感想になるが、「ガッツポーズ」には、ポーズそのものの起源と、呼称の起源があり、区別して考える必要がある。ポーズそのものの生理学的な効果については、上掲の大築先生の専門的立場からのご説明があり特に異議を唱えるつもりはない。かつて「エイ、エイ、オー」とコブシを振り上げる動作は、戦国時代にもあったし、労働組合の集会でも行われていたが、似たようなものかもしれないとは思う。 いっぽう、両手をパーにしたバンザイポーズについては、「極度の緊張や興奮状態で前頭前野によるコントロールがうまくいかなくなり、両手が同じ動きをした結果」なのか、「試合終了により、集中力も闘争心も要らなくなった結果」なのか、イマイチよく分からなかった。 ところで、「ガッツポーズはグー」、「バンザイポーズはパー」となれば、残るのは、「ピースサインはチョキ」ということになる。ウィキペディアには、ピースサインの概要、発祥、日本における流行・普及などについて一通りの説明があるが、現時点ではまだ信頼できる情報にはなっていないようだ。私自身は、自分の写真を撮ってもらうときは、自分では意識していないが、なぜかピースサインになってしまう(例えば、チョモランマの前や、カイラス山の前など)。 次の2.の不動産広告の「徒歩○分」については、番組では「ヒールを履いた鈴木深雪さん」という、この番組らしい謎めいた解答となった。1963年にできた「宅地建物取引の表示に関する公正競争規約(昭和38.6.21. 公正取引委員会告示第9号)には、「徒歩による所要時間については、80メートルにつき約1分間」と定められており、この基準に関与したのが、当時この規約の担当者であった鈴木深雪さんであった。不動産業界からは1分間につき100メートルという主張があったが、鈴木深雪さんは、自分の持っている靴の中で最もかかとの高い靴(中ヒール)をはいて女性でも歩ける距離を測り、「徒歩1分=80m」という基準の制定に至ったという[※]。鈴木深雪さんは3年前にお亡くなりになったが、番組では夫の鈴木満さんにより制定の経緯が説明された。ちなみに、この規約が制定される前は、不動産広告は不当表示が甚だしく、中には、武蔵小杉駅から約35kmも離れた物件が「駅より歩いて婦人、お子様にても6分」と表示されていた広告があったという【番組で示された地図で物件は、実際には「松濤苑」という場所にあるようになっていた。鉄道路線図から見ると東京都・町田市あたりのように見えたが、実在する地名なのかどうかは未確認】。 [※追記]1990年に書かれた『人の歩行』に関する論文によれば、10歳〜60歳男女の歩行データは、
なお番組でも一部取り上げられていたが、「徒歩○分」にはさらに細かい規定があるという。アットホームから引用させていただくと、
そう言えば、岡山大学津島キャンパスは「津山線「法界院」駅:徒歩約10分」と表示されているが、Googleマップのルート検索によれば、
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