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「あるく東海道五十三次に参加してちょうど1カ月になるが、5月14日早朝の集計時点で、土山宿(滋賀県甲賀市土山町)に到達。ランキングは1029位/13771人、60歳代では300位、男性では559位となっていた。 土山宿は新名神が開通した頃に一度訪れたことがあった。楽天版に関連記事あり。 |
【連載】サイエンスZERO「最新リポート!“夢”の科学」その3 夢はなぜ忘れやすいか? 昨日に続いて、サイエンスZEROの表記のテーマについての感想と考察。 その前に、5月14日夜から15日朝のあいだに私が見た夢は、最近ではめずらしく鮮明で、しっかり記憶に残っていた。5月14日は最高気温が28.3℃を記録するなど蒸し暑く、今季初めて窓を開けて寝ていた。外からの騒音が睡眠のレベルに影響を与え、鮮明な夢につながった可能性がある。夢の内容は、 中学校の同窓会が開かれることになり、和食のレストランに行った。出席者は21名ということだったが、左隣は明らかに同級生だった男性だが、右隣の女性は小学校の同級生であり、このほか名前に全く見覚えの無い男性も来ていた。19時半の開始時刻になっても全く始まる気配がないので、少し離れた席に一人で座っていたところ、一人用の定食メニューが運ばれてきたので、私は注文していないぞと取り消した。その食材がロスにならないよう、後で出してもらうことにした。しばらく待っても、同窓会が始まらないので、今度は、屋外を歩くことにした。大きな橋を渡ったところ、川の向こうから2匹のイヌが泳いでやってきた。1匹は柴犬の子犬だった。その後、和食レストランに戻ったところ、新型コロナの影響で会食は取りやめることになり、代わりに、食材を入れた発泡スチロールの箱を受け取って屋外で食べることになった。といった感じ。ストーリーの展開は全く予測できないものであったが、なぜこういう夢を見たのかということは、それぞれ思い当たるところがあった。 さて、もとの話題に戻るが、昨日も言及したように、MCH神経に記憶を消去する働きがあることは、REM睡眠中に見た夢が忘れやすいことの説明には必ずしも結びつかないように思う。もしそうであるなら、前日の覚醒時に起こったことや覚えたことの記憶も消去されてしまうはずだからである。但し、前日の記憶はノンレム睡眠時に定着されるため、MCH神経の影響を受けにくくなるという可能性もある。 このほか、渡辺先生は、夢が忘れやすい心理学的な理由として、「つじつまの合わない話は忘れやすい」という説があることを述べておられた。但し、それだけでは説明できない感じがするとも指摘しておられた。 ここからは私の感想・考察になるが、「夢が忘れやすい」というのは、夢の素材となる昔の思い出そのものを忘れてしまうことではない。 そう言えば、かんべえさんが、5月4日のブログで 〇人間の記憶とはつくづく不思議なものである。と述べておられたが、仰せの通り、人間の映像に関する記憶というのは滅多なことでは消去されない。私自身も定年退職後に、プリント写真をスキャナで読み込んでデジタル画像化(jpegファイル化)する作業をしていた時があったが、過去のプリント写真を見ると、いつ、どこに、誰と一緒に行った時に撮った写真であるか、そのときどんなことがあったという記憶が次々とよみがえってくるものだ。「この写真には全く見覚えが無い」ということはまずあり得ない。 では「夢の内容を忘れてしまう」というのはどういうことかと言えば、過去のシーンのつなぎ合わせ、つまり、断片的なシーンを自在につなぎ合わせて「創作」されたストーリーが何であったのかを忘れてしまうということではないかと思う。 関係フレーム理論を援用するならば、人間は、おそらく、覚醒時ばかりでなく、睡眠時にも、さまざまな関係反応を派生している。このうち覚醒時の関係反応は思考活動を支えるものであるが、どうしても垂直思考に縛られがちである。レム睡眠時に派生すると思われる関係反応は、覚醒時に比べると遙かにバラエティに富んでいる。だからこそ、夢を見ている中で、アインシュタインの相対性理論、メンデレーエフの周期表、ビートルズのイエスタデイなどが生まれたのであろう。但し、レム睡眠時に生じた関係反応をそっくりそのまま覚醒時に再生することは難しい。このことが夢の忘れやすさに繋がっているのではないかと推測される。 次回に続く。 |