じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 「接写で楽しむ雑草の花」。今回はムラサキカタバミと、イモカタバミ。花の色、形は似ているが、ムラサキカタバミは花粉が白いのに対して、イモカタバミは黄色い。ウィキペディアによれば、「イモカタバミは地下に球状の塊茎を持ちゆっくりと繁殖するのに対して、ムラサキカタバミは鱗茎の下部に牽引根と呼ばれる、鱗茎を地下部に引き戻す事が目的の為に発達した根を作る。今年出来た新球は親球の上に出来る為に開花後にはその鱗茎の下部と牽引根の狭間に無数の木子(微細な小球根)を作り牽引根で地下部に引き戻されるときに短期間で木子が散らばり雑草化し、非常に旺盛に繁殖する強害草である。」という特徴で区別できる。

2021年5月24日(月)



【連載】#チコちゃんに叱られる!「握りずしの1人前の分量」

 5月21日(金)朝に初回放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。

 本日は、
  1. アパートとマンションの違いってなに?
  2. なぜ握りずしの1人前は10個?
  3. 働き方改革のコーナー:ジョギングとランニングの違いは?
  4. なぜこの世には次々と人の顔が現れる?
という4つの話題のうち、2.の「寿司1人前」について考察する。

 にぎり寿司1人前の疑問は、番組では「握り10個ですし絶滅の危機を乗り越えたから」と説明された。特設の「チコジェクトX」では、握りずしが江戸時代の屋台で生まれ、昭和初期の東京のすし店が3000軒を超えたものの、戦後の配給制のもとで、飲食店の営業が一部を除いて禁止され、すし屋は絶滅の危機を迎える。そこで、「すしを売る」のではなく、客が持ってきた1合の米を使ってすしを握るという委託加工(加工業のため禁止対象にならない)を始めた。そのさいの「米1合を10この握りずしにします」が1人前10貫のきっかけとなったという。
 このあたりの経緯は、ウィキペディアにも記されていた。
第二次世界大戦直後、厳しい食料統制のさなか、1947年(昭和22年)飲食営業緊急措置令が施行され、寿司店は表立って営業できなくなった。東京では寿司店の組合の有志が交渉に立ち上がり、1合の米と握り寿司10個(巻き寿司なら4本)を交換する委託加工として、正式に営業を認めさせることができた。近畿をはじめ全国でこれに倣ったため、全国で寿司店といえば江戸前ずし一色となってしまった。ちなみに1合で10個の握り寿司ならかなり大きな握りで、いわゆる「大握り」と呼ばれる江戸時代・明治初期を思わせる大きさである。当時を知る職人は、「あらかじめダミーの米を入れる袋を用意して店頭に置き、取り締まりを逃れて営業したこともある」と述べている。


 ここからは私の感想・考察になるが、第二次世界大戦後に「持参米鮨委託加工」という営業があったことは史実であるとは思うが、このことがそのまま一人前10貫の起源になったのかどうかは疑わしいように思う。私の知っている限りでは、鮨というのは、カウンターでそのつど注文するか、回転寿司のようにお皿を選んで食べるのが普通であり、「一人前」というのは「盛り合わせ」という提供形態であって、寿司専門店ではなく、むしろ和食店でのメニューの1つとして提供されているように思われる。このような「寿司盛り合わせ」が戦前からあったとすれば、一人前の分量や個数もその時から基準があったはずだ。
 ウィキペディアの記載にあるように、そもそも1合で10個の握り寿司というのはかなり大きな握りで、いわゆる「大握り」と呼ばれる江戸時代・明治初期を思わせる大きさであったという。またウィキペディアの別の項目によれば、「ひとつ一口半」とされていたサイズが現在のサイズに切り替わったのは明治の中頃から戦後昭和の半ばまでの間と言われており、「持参米鮨委託加工」時代の「1合で10個」というサイズは必ずしも一人前の分量・個数のきっかけにはならなかったような気もする。ちなみに、寿司1個を「1貫」と数える呼び方は、1970年代以降で、比較的新しい呼び方であると記されていた。

 寿司の盛り合わせに限らず、そもそも、いろいろな丼物、蕎麦、うどん、定食などの1人前はどのような基準で設定されているのだろうか? ネットで検索したところ、こちらに各種メニューの一人前についての比較があり、例えば、牛丼一人前の具の分量は、吉野家、松屋、すき家いずれも135グラムであると記されていた。このほか、蕎麦の生麺はおおむね120グラム、乾麺の場合は110グラムなどと紹介されていた。

 「一人前」の分量の基準は、「一人が一回の飲食で食べたり飲んだりするのに適切と考えられる量の食べ物や飲み物」とされているものの、飲食店によって分量にかなりの差があり、また、冷凍食品のように、多すぎても少なすぎても1人前、もしくは2人前単位で解凍せざるをえない場合もあり、私たちの食事の摂取量を拘束しているところがある。私自身について言えば、最近では、飲食店の「一人前」は分量が多すぎるように感じることがあり、可能であれば「少なめにしてください」と言うこともある。蕎麦やうどんの乾麺の1束は以前は物足りない量であったが、最近ではちょうどよい分量になりつつある。

 元の話題の寿司について言えば、回転寿司屋で食べる分量は、おおむね8皿(16貫)ぐらいが適量かと思う。なおこのことからみても、回転寿司の1貫はかなり小さめであり、おそらく1口で食べられる大きさになっているものと思われる。

 次回に続く。