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5月29日の夕方はよく晴れ、北西の空に金星が輝いているのを眺めることができた。この日の14時34分には水星が金星の南0°25′まで接近し、夕刻には金星の左下、満月1個分ほど離れたところに見えているはずであったが、肉眼はもとより双眼鏡を覗いても、水星の位置を確認することはできなかった。 デジカメで撮った写真では、金星の左下にかすかに白い点が写っていたが、これが水星だったかどうかは定かではない。 |
【連載】#チコちゃんに叱られる!「旅館の広縁」「打ち合わせの語源」 5月29日(土)朝に初回放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。なお、金曜日の放送は新型コロナ関連番組のためカットされた。 今回の放送では、
まず1.の「旅館の窓際にあるあのスペース」というのは、旅館やホテルの窓際にあるスペースで、通常は、ソファとテーブルが置かれて、外の景色を眺めながらくつろげるようになっている。私の記憶では、旅館の和室ばかりでなく、洋式の観光ホテルでも、窓際には同じようなスペースがあったはずだ。この疑問に対する番組の答えは「元廊下」であり、もともと明治以前の旅館は、各部屋が内側にあり、それぞれの部屋に入るための廊下はそれらの外側に作られていた。この外廊下は広縁とも呼ばれ、長期の滞在者は洗濯物を干したり、煮炊きをする時にも利用していたという。明治時代になると、外貨獲得のために積極的に外国人観光客を受け入れるようになったが、西洋人の場合はプライバシーを守るために個室として仕切る必要があり、内側に廊下(通路)を新設するいっぽう、外側の廊下にはソファやテーブルが置かれるようになった。「国際観光ホテル整備法」(1952年)では、「いす及びテーブルの備付のある広縁その他の施設があること」が義務づけられているとのことであった。もっともネットで検索した「国際観光ホテル整備法」は「昭和二十四年法律第二百七十九、施行日: 令和元年九月十四日(令和元年法律第三十七号による改正)」となっていて、広縁に関する記載は見当たらなかった【こちらの資料も同様】。 いずれにせよ、広縁や縁側は日本家屋独特のものであるという。外国のホテルでも客室の窓際、もしくはベランダ・バルコニーにテーブルや椅子が置かれていることはあるが、そう言われてみれば、確かに日本の広縁とは異なる造りになっている。私が泊まったことのある旅館で、広縁が特に印象に残っているのは東郷温泉 湖泉閣 養生館。 2番目の『打ち合わせはなぜ「打つ」?』の疑問については、「太鼓を打つ」が由来だと思っていたが、番組でも『雅楽の楽器を“打って”“合わせて”いるから』と説明されており、ほぼ正解であった。雅楽の打楽器は演奏のスピードを調整する役割があり、踊る人に合わせてスピードが変わるため、事前に打楽器だけで「打って」「合わせて」演奏の速さを合わせる必要があった。これが転じて現在では前もって相談することを「打ち合わせ」というようになったと説明された。 weblioによれば、「打ち合わせ」に相当する英語としては、「advance arrangements」、「preparatory meeting」、「briefing session」などがあるというが、実際にどのように使われているのはか分からない。いっぽう中国語では、「洽談」と言う言葉があるらしいが、これまた、ビジネスでどう使われているのかは不明。 「根回し」という意味であれば、英語では「lay the ground work」あるいは「preparations in advance to build consensus」あたりが妥当であるようだ。「maneuvering behind the scenes」となると、裏取引を提案しているように思われそう。 このほか、ネットで検索していたところ、こちらに、「打合せ」、「打ち合せ」、「打ち合わせ」のどれが正しい表記なのか?という話題が取り上げられていた。「活用のある語は活用語尾を送るのが基本」とされていることから「打ち合わせ」が本則とのこと。 次回に続く。 |