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【連載】#チコちゃんに叱られる!「割り箸の起源」、「アイスクリームのバニラ」 6月4日(金)に初回放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。 今回の放送では、
まず割り箸の疑問だが、番組では「そば屋さんが回転率を上げたかったから」というように説明された。割り箸は江戸時代中期に登場。それまでの箸は使い回されていたが、最初から2本に分かれていると転がりやすく、また、ちゃんと洗っているのかどうか疑われることがあった。そこで、使われなくなった酒樽を利用した割り箸が導入され、全国に広まったという。なお、ウィペディアでは若干異なる説明があり、当初は竹製の箸が起源、但し、生業として生産されるようになった時は「樽の余材を利用」したと記されていた。 割り箸は江戸時代の「割りかけ箸」や「引き裂き箸」と呼ばれる竹製の箸を起源にしている。1709年(宝永六年)に書かれた出納簿のなかに「瘁iすぎ)はし」、「はし」と並んで「わりばし」が記載されている。1800年(寛政12年)頃とする説もある。 上掲にもあるように割り箸は日本が発祥の地であり、中国や韓国ではあまり使われていないようであった。念のため、過去の海外旅行時の写真をチェックしてみたが、チベットのレストランや、アシアナ航空の機内食では確かに割り箸は提供されていないように見えた。例外的に、モンゴル・ウランバートルのしゃぶしゃぶ料理店では袋入りの割り箸があったが、これは外国人向けにわざわざ用意したものと思われた。 次の「アイスクリームの定番がバニラなのはなぜ?」については、番組では「その香りが哺乳類を引き寄せる魔性の香りだったから」と説明された。アイスクリームが1850年代に初めて大量生産されるようになった際、牛乳や卵の生臭さを消すためにバニラビーンズが使用された。しかし、バニラの香りは単にニオイを消す作用だけでなく、バニリンという成分に哺乳類を引きつける効果があるという。じっさい、10頭のヤギを使って、バニラビーンズつき、何も無し、蜂蜜つき、ココナッツつき、という4つの条件で牧草の好みの実験をしたところ10頭中5頭がバニラつきの牧草を選んだ。 この話題で分からなかったのは、「バニリンは母乳に含まれている成分で、人間などの哺乳類は本能的にバニリンを好む」という説明であった。もともと牛乳に含まれている成分が哺乳類に好まれるというのであれば、アイスクリームの「生臭さ」はむしろ哺乳類を引きつけるはずである。わざわざバニラのニオイに置き換える必要は無いのではないか。なお、人工的な飼料で育てられた牛や鶏の場合は、昔に比べると、牛乳や卵の生臭さはそれほど無いと聞いたこともある。 次回に続く。 |