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6月11日放送の「チコちゃんに叱られる!」で、「時計が12時までなのはなぜ?」という話題が取り上げられていたが、すべての時計が12時までとは限らない。写真は、クロアチア・シベニクで見かけた24時まで刻まれた時計。文字盤は、一番上が12時(XII)、一番下が24時(XXIV)となっていて、短針は24時間で一周する。 |
【連載】#チコちゃんに叱られる!「シャベルとスコップ」、「大根はゆでると透明」、「時計はなぜ12時まで」 6月11日(金)に初回放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。 今回は、
まず、シャベルとスコップの違いについては、番組では「足をかけるところがついているのがシャベル ついていないのがスコップ」が正解であるとされるいっぽう、呼称をめぐっては地域差があり「日本は大混乱」と付け加えられていた。 日本語学者の真田先生(大阪大学名誉教授)によれば、JISでは「足をかけるところがついているのがシャベル ついていないのがスコップ」というように区別されているがこれはあくまで大型のシャベルに限られており、小型のものにはJIS規格は適用されておらず、「シャベル」、「スコップ」、「園芸用シャベル」、「移植ゴテ」など、メーカーや販売店によって名前の付け方が異なっているという。 真田先生の提案により番組スタッフが調査したところによれば、
ちなみに、私自身(18歳まで東京在住、それ以降はもっぱら西日本在住)は、大小にかかわらず「シャベル」と呼んでおり、自分から「スコップ持ってきてちょうだい」と言うことはない。じっさい、雪かき用のスコップを使ったことは殆どなかった。 次の「大根をゆでると透明になる」理由は、もともと透明だが、ゆでる前は細胞の間に空気が入り込んでいるために乱反射して白くなると説明された。これを茹でると、熱によりセルロースやペクチンが分解されてお湯が大根にしみ、、細胞の隙間にあった空気が押し流されるので乱反射が起こらず、本来の透明な状態になるのだという。この仕組は、「雪はなぜ白いか?」と同様。このほか、かき氷が白い理由、雲や湯気が白い理由も同じようなものかと思われる。 最後の「時計が12時までなのはなぜ?」については、番組では「シリウスのせい」と説明された。古代エジプト人はナイル川の増水を予測するために、まず、基準となる星を36個選んだ。但し、シリウスとオリオン座以外にどのような星が選ばれたのかは分かっていないという。日没になると、36個の星が次々と現れてくるが、夜明け前に12番目にシリウスが出て来る時期にナイル川の氾濫が起こる。このことから夜の時間が12分割され、さらに昼も12分割されることで1日24時間となった。 なお、時計の文字盤の一番上が「0」ではなく「12」となったのは、機械式の時計が誕生した14世紀にはまだ「0」という概念がヨーロッパに伝わっていなかったため【但し「諸説あり」と表示された。】 ここからは私の感想になるが、私が分からなかったのは、基準になる星が36個も定められていたとすると、夜に星が見える時間帯を10時間とすれば、36×10/24個、つまりシリウスが現れるのは15番目ぐらいになるのではないかという点。また最初から基準の星を36個に定めているのであれば1日は24時間ではなく36時間になったはずだと思われる。 時計が12時まで、1日が24時間である理由については、私自身は子どもの頃から、「12は約数が多く、容易に2、3、4分割できるから」であると思っていた。番組では「人はなぜ12個で物をまとめたがる?」という疑問が宿題として出されていたが、これも単に、分割のしやすさという利便性が発端ではないかと思うのだが、これでは意外性に乏しい。次回の放送ではどういう正解が用意されているのだろうか、楽しみだ。 |