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最近、デジカメで撮った写真をWindows10のフォトビューワで閲覧すると、オリジナルの色が瞬間的に表示されたあと、黄色っぽい色に褪色するという妙な現象が起こるようになった。この「色あせ」は、昨年12月に取り上げた、GoogleのChromeで色あせが生じる現象と同様であった。 写真上はオリジナルの色彩で、Firefoxや画像処理ソフトで表示可能。写真下は、フォトビューワやGoogleのChromeで表示した時の「褪色」現象【但し、以下の設定を実行する前の状態】。 ネットで検索したところ、こちらに該当する問題の解決方法が紹介されていたので、さっそく実行したところ、フォトビューワばかりでなく、GoogleのChromeでも、オリジナルの色が表示されるようになった。 リンク先で紹介されていた方法は、
ごく最近になってフォトビューワで褪色現象が生じるようになったのは、おそらく、Windws10の大規模アップデートにより、ディスプレイの色彩管理が勝手に変更されたものと推測される。Firefoxがこの変更の影響を受けなかったのは不思議だ。 |
【連載】#チコちゃんに叱られる!「笑うとき手をたたくのは明石家さんまさんのせい」という超胡散臭い「説明」 7月9日(金)に首都圏ほかで初回放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。ちなみに、この番組は通常は、金曜夜に本放送、土曜日朝に再放送されることになっているが、今回、岡山地方では金曜夜は中国地方の大雨関連番組、また土曜朝は九州南部の大雨関連番組のため、チコちゃんの放送はいずれの時間帯も放送中止となった。よって、今回はNHK+経由で視聴した。 さて今回は、
この1.の疑問であるが、私自身や私の家族、知り合いの中には笑う時に手をたたくヒトがいないので、そもそもこういう現象が本当に存在するのかどうか自体がよく分からなかった。 番組では、関根勤さんが声を出さずに手を叩いて笑っている映像が流れていたが、私はそもそもお笑い系の番組を視ないのでそういう映像は初めてであった。関根勤さんは、昨年度まで放送されていたNHK「偉人たちの健康診断」にレギュラー出演されていたが、その中で手を叩いて笑っておられたのかどうかは全く記憶に残っていない。 さて番組では、この疑問に対して「笑うとき手をたたくのは明石家さんまさんのせい」が正解であると「説明」された。「脳科学を研究されている」篠原菊紀先生(公立諏訪東京理科大学)によれば、
ここからは私の感想・考察になるが、上にも述べたように私はお笑い番組はもともと視ないが、特に明石家さんまさんが出演する番組は私の好みではない。人物としての明石家さんまさんが特に嫌いだというわけではないが、笑いを無理に演出しているように見えて、そのわざとらしさについていけないというのが率直な印象である。いっぽう私の妻はさんまさんのファンであり、昨晩も「週刊さんまとマツコ」という番組を視ていたので、さっそくちょっと大笑いしてくれないかと話しかけたが、気味悪がって応じてくれなかった。いずれにせよ、妻が明石家さんまの影響を受けて手を叩きながら笑うというのは見たことがない。 さて、上掲の1.〜9.の「説明」のうち、1.〜3.についてはその可能性は大いにあると思われるが、これは行動の結果により強化されるオペラント行動であって、ミラーニューロンや明石家さんまとは全く関係がない。 上記の4.に関してはいちおう、20歳代の若者と60代〜70代のお年寄りの比較がなされているが、各6人ずつというのはあまりにも少なすぎる。せめて無作為抽出した数百人レベルのデータを示してほしいものだ。 5.については2点、問題がある。まず、今の若者の多くがお年寄りよりもお笑いのテレビ番組や舞台をよく見ているのかどうかデータを示す必要がある。そもそも今の若者はテレビをあまり視ないという情報もあるし。その上で、笑う時に手を叩く傾向と、明石家さんま出演の番組を視聴する時間あるいは明石家さんまに対する好感度やリスペクトの程度との間に正の相関があるというデータを示してほしい。でなければ単なるまことしやかなこじつけに過ぎない。いくらチコちゃんが娯楽番組であるからとしても、子どもたちへの影響には充分に配慮する必要がある。科学的根拠に乏しい作り話を無批判に流すのはどうかと思う。 ちなみに、番組で言及されていたミラーニューロンだが、リンク先にも記されているように、他者の意図の理解、共感、言語、自閉症、心の理論、性差などとの関係で様々な仮説が提唱されているが、まだまだ議論が多い。明石家さんまが手を叩いて笑っているというような、かなり高度で文脈に限定した模倣を、ミラーニューロンの働きに結びつけて説明できるかどうかについては疑問である。 ここからは一般論になるが(←今回出演された先生への批判ではない。念のため)、テレビ番組では時たま、心理学者(あるいは心理学研究家)や脳科学者(あるいは脳科学研究家)なる人物が出演して、取り上げられている事象に対してまことしやかな「コメント」を行うことが少なくない。しかし大概は、その分野で使われている専門用語をいくつか並べ立てコジツケをしているだけに過ぎず、そういう人たちの「説明」は何も予測しないし、当該事象を変えることさえできない【当該事象が変化した時は、後付けで、別の専門用語を引っ張り出してきて事後解釈をするだけ】。特に近年は、脳科学関連分野の発展により、ニューロンとか遺伝情報といった用語を引っ張りだしてきて、いかにも専門的な解明がなされているかのような錯覚を与えるエセ脳科学が横行しており、注意が必要だ。話題性や意外性を求めるあまりにチコちゃんの番組スタッフがそうしたエセ科学に洗脳されることがないよう願いたい。 次回に続く。 |