じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 11月5日の昼頃に、岡山県総合グラウンドから「子どもの森」方面にウォーキングをしていたところ、OHKの電波塔(勝手に「岡山タワー」と命名)にクレーンが架けられているところが見えた。
 ネットで検索したところ、実はOHKの新しい本社は岡山市北区下石井のイトーヨーカドー跡地で開発が進められている「杜の街づくりプロジェクト」のオフィス・商業棟に移転しており、放送アンテナも高さが約130mある隣接した高層マンションの屋上に付け替え済みであることが分かった。
 11月7日の朝、私の住んでいるところから確認したところ、すでに旧・岡山タワーは上部が取り外されていて半分の高さになっていた。毎年、この塔は赤、紫、青、白など、趣旨に対応してライトアップされてきたが、この地ではもはや見ることができなくなってしまった。

2021年11月07日(日)



【連載】#チコちゃんに叱られる!「切手を貼る位置」、「間違いと間違え」

 昨日に続いて、11月5日に初回放送された、チコちゃんの番組の考察と感想。本日は、

  1. もみじ狩りはなんで狩りっていうの?
  2. なんで化石って石になるの?
  3. なんで切手は左上に貼るの?
  4. 「間違い」と「間違え」
という4つの話題のうち、残りの3.と4.について考察する。

 まず3.の切手を貼る位置については「「そこがイギリス人がみつけたベスポジだったから」」と説明された。郵便事業が発展していた19世紀のイギリスでは、切手の再利用を防ぐために消印を行っていたが、右利きの人がその作業を行う場合は、郵便物を左手でおさえるため、右上のスタンプを押すのがいちばん効率的であった。しかし日本では縦長の封筒や葉書を使っていたため、左上に切手を貼ってもらい、その郵便物を横にして消印を押すようになった。スタンプの向きは最初から右が上になるように横向きに作られていたという。

 番組では続いて、最新の郵便配達の仕組みが紹介された。
  1. 自動で消印を押す押印機。かつて手作業で消印を押していた時は熟練作業員でも1分間に100通が限度であったが、機械を使うことで1時間に3万通(1分間に500通、別のシーンでは1秒間に約10通と紹介されていた)の消印が押せるようになっている。押印機はセンサーにより郵便物の向きを揃える。
  2. 区分機により、郵便番号の数字が読み取られる。よほど文字が潰れていない限り、手書きでも正確に読み取る。
  3. 区分機で読み取られた情報は、目に見えないバーコードに印刷される。
  4. 印字されたバーコードをもとに、配達員が効率よく配達されるように並び替えられる。
 そう言えば、最近の郵便物の宛名欄にはバーコードのような記号列やQRコードが印刷されているものが多いようだが、これは区分機が印刷する「目に見えないバーコード」ではなくて、差し出し元が発送情報を管理するための情報であるようだ。実際、タブレットでいくつかのQRコードを読み取ってみたが、解読不明の文字列が並んでいるだけでどうやら住所とは関係がなさそうに見えた。




 最後の4.は前回の「森田美由紀さんにご指摘いただいたナレーション原稿の間違えを反省するコーナー」というところで、「間違え」ではなく「間違い」が正しいのではないかという指摘を受けたという話題。NHK放送文化研究所の回答は、「間違い」のほが一般的だが、「間違え」という表記でも間違いとは言えないというようなものであったという。

 このことについてまず私なりに考えてみたが、日本語の動詞の中には、連用形(「○○ます」)部分がそのまま名詞に対応している言葉が少なくない。例えば「思います」からは「思い」、「考えます」からは「考え」、「泳ぎます」からは「泳ぎ」、「笑います」からは「笑い」となる。この法則を当てはめるならば、五段活用の動詞は「--i」、下二段活用の動詞は「--e」という名詞形に対応することになる。
 ところが、「間違い」と「間違え」の場合は厄介なことに、
  • 【五段活用】間違わない、間違います、間違う、間違う時、間違えば、間違おう(→間違えよう)
  • 【下二段活用】間違えない、間違えます、間違える、間違える時、間違えれば、間違えろ
というように2通りあって、連用形を切り取ると「間違い」と「間違え」の両方が出てくることが分かる。では、「間違う」と「間違える」はどう違うのかということになるが、『新明解』によれば、
  • 間違う:自動詞。不適切な対応などによって△正しくない(好ましくない)結果を招く。
  • 間違える:(一)まちがいをする。「答えを間違える」(二)とりちがえる。「どろぼうと間違えられる」
ということで、行動自体が不適切・不正確であった場合は自動詞としての「間違う」、対象が明確であった場合の取り違えの時は「○○を間違える」というように他動詞としての「間違える」が使われるのではないかと思われた。但し、もともと日本語の自動詞と他動詞の区別は、英語の場合とは異なっており、区別は曖昧になっている。

 以上は自分で先に考えた内容であったが、ネットで検索したところ、NHK放送文化研究所の解説サイトに、
非常に微妙な違いがあります。「間違う」は「正しい(あるべき)状態から外れていること」、「間違える」は「AとBとを取り違えること」がそれぞれ意味の中心になっていると言えます。
という回答があり、さらに詳しい解説として、
まず「間違う」は、ある「正しい状態」があるのにそのようになっていない、というときに使われます。例えば「人として間違った道を歩む」の場合、「道義的に正しい生き方」というものがあるにもかかわらずその道を歩んでいない、ということを表します。この場合、「人として間違えた道を歩む」とはふつう言いません。
一方「間違える」は、ある2つのものについて「取り違える」ことを表します。「ブーツの左右を間違えて履いてしまった」と言った場合、「右と左とを取り違えてしまった」という意味になります。ただし、右用は右足に、左用は左足に履くのが正しい履き方だ」というニュアンスがあれば、「間違って履いてしまった」と言うことも可能です。
何かの試験を受けたときに、「あるべき正解から外れた」という意味では「答えを間違った」ですし、「正解はAであるのにBと書いてしまった」という意味では「答えを間違えた」ということになります。多くの場合には両方とも使えることが多いのですが、とらえ方が違うのです。
なお名詞の形になると、どんな場合でも「間違え」より「間違い」のほうが多く使われるようです(例「[間違い/間違え]を見つけた」)。
と記されており、この記述だけから見ると「間違え」と「間違い」は特に使い分けされておらず、単純にどちらが多く使われているのかというだけの議論であるようにも思えた。
 私自身としては、上記の解説を参考にしつつ、
  • 行為自体が不適切であった場合は「間違い」 例:「記述式解答の間違い」「数式の間違い」「予測の間違い」「政策の間違い」など。
  • 取り違えの対象がはっきりしているときは「間違え」 例:「マークシート式解答の間違え」「ブレーキとアクセルの踏み間違え」「アールとエルの聞き間違え」「内回りと外回りの電車の乗り間違え」
というように区別していこうかと思っている。