Copyright(C)長谷川芳典 |
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12月5日の朝は空全体が雲に覆われていたが、東の地平線付近に僅かながら隙間があり、日の出の直前に赤く染まっていた。エルタ・アレ火山を思い出す光景。
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【連載】チコちゃんに叱られる!「白い卵と茶色い卵」「透明卵パック」 12月4日に放送された表記の番組についての感想と考察。この回は、
まず1.については、番組では「卵を産む鶏の種類の違い そりゃそうだろうけど」と説明された。卵の殻の色が茶色になるのは、プロトポルフィリンという赤血球のヘモグロビンに由来する色素が含まれているためであり、その色素の有無はニワトリの種類によって決まってくる。但し、羽の色とは必ずしも対応しておらず、羽が白くても、プリマスロックという種類は茶色い卵を産むし、アローカナという種類は青い卵を産む。なお、殻の色と中身の栄養成分には特に関係は無いらしい。 卵の殻の色の謎はこれで解決したが、番組では、なぜ日本人は卵の殻の色に注目するのか、という話題に発展し、透明卵パックの開発の「たぶんこうやったんやないか劇場」となった。卵は1965年頃にはぜいたく品であり、対面販売で1個ずつ売られていた。購入した卵は新聞紙に包むかおがくずなど【←私はもみ殻だったと記憶している】を敷き詰めた箱に入れて持ち帰っていたという。その後スーパーで大量に売られるようになったが、紙製の紙パックでは卵が見えなくなってしまうため、生食文化のある日本の消費者には受け入れられなかった。そこで、大阪・池田市(現在は大阪市に移転)によって透明パックが開発された。当初は卵が割れやすいという欠点があったが、パイプ型の子どものおもちゃにヒントを得て、苦節2年、卵を入れる部分を八角錐にして容器の中で卵が浮くような構造にすることで多少の衝撃では割れないパックが完成した。なお透明パックの素材は当初は塩化ビニールであったが、現在ではリサイクル可能なPET樹脂を使用しているという。 ここからは私の感想になるが、鶏の卵の殻の色が2種類以上あることは知っていたが、なぜそうなるのかは考えたことが無かった。というか、私自身は自分で卵を買うことがなく、色を決め手にして買うことはなかった。野生の鳥であれば少しでも目立たなくするためには茶色のほうが適応的であるように思われるが、実際には多くの野鳥や爬虫類の卵は白いものが多いように思われる。おそらく卵の殻を構成するカルシウム成分の色を反映したものと思うが、なぜ多くの卵の殻の色は白いのか、なぜ一部の卵の殻の色は茶色いのか、卵パックの話題に移る前に、もう少し、適応上の利点や遺伝子レベルでの説明が欲しいところであった。 ネットで検索したところ、卵パックを開発した会社はエフピコダイヤフーズ株式会社であることが分かった。こちらに社長さんの挨拶があり、番組で紹介された内容に一致した開発経緯が記されていた。これに加えて、「10個入りが当たり前の状況から少子高齢化により、4個・6個入りが徐々に増えてきております。」といった時代の変化にも言及されていた。 卵パックで分かりにくいのは、ごみの分別区分である。岡山市の場合、食品トレイ(発泡・透明)については公民館などで回収しているが、私は当初、卵パックは該当しないと思っていた。しかし、こちらの区分によれば、「卵パック(無色透明のもの)」は資源化物であり透明トレイに含まれている。ところが「資源化物ステーションには出せません。」という但し書きがついていて、通常の資源ゴミ回収では出せないようになっている。公民館のような拠点回収では「出せない」とは書いていないので出してもよいものと思われるが、近くに公民館が無い地域ではどうしておられるのだろうか。また、せっかく「環境に配慮した」とされている紙製の卵パックや、紙素材のトレイなどは、少なくとも岡山市では「可燃ゴミ」として扱われており、生ゴミと一緒に燃やしてしまうだけとなる。リサイクル可能なPET樹脂と、どちらが環境にやさしいのか、よく分からないところがある。 次回に続く。 |