じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 岡山と北九州の冬の天気を比べると、晴れの日の多い岡山のほうが暖かいように感じるが、実際は北九州のほうが暖かく、滅多に氷点下になることはない。写真は庭先の皇帝ダリアで、寒風があたりにくい場所にあるためまだ花をつけている。岡山ではすでに霜に当たって枯れているはず。

2022年1月02日(日)



【連載】瞑想でたどる仏教(16)日本の仏教

 12月15日に続いて、NHK-Eテレ「こころの時代」で、4月から9月にかけて毎月1回、合計6回にわたって放送された、

●瞑想でたどる仏教 心と身体を観察する

の備忘録と感想・考察。このシリーズのうち、録画できていなかった、

第5回の「日本仏教の誕生」

が、12月30日の深夜(日付は12月31日)に再放送されたので、このWeb日記のほうの連載を再開することとした。

 第4回で取り上げられたように、インドで生まれた仏教は、中国に伝えられたあと中国の文化を取り入れて変貌をとげた。そこからさらに日本に伝えられるなかで、どのように受け入れられていったのかが今回の内容。

 時系列的に言えば、日本の仏教は、
  1. 6世紀、日本伝来当時の仏教。
  2. 8世紀、奈良時代の仏教。
  3. 最澄が伝えた天台宗と、空海が伝えた真言宗。
  4. 鎌倉仏教。
という経緯をたどることになる。
 日本伝来以降の仏教は、時の権力者の庇護を得て、国分寺やその総本山の東大寺建立に見られるように、
  • 共同体のための宗教:「五穀豊穣」や「玉体安穏」が祈願の願目に取り入れられるようになる。
  • 学問としての仏教:学解の重視。本来、「出家」は世俗の世界から離れることをイメージするが、いつの間にか、出世の階梯ができてしまった。
という特徴をもつようになった。これに対して、平安末期、国家の権威や仏教界における名声や利益から離れる運動が起こった(遁世、とんせ)。この人たちは「戒定慧」(戒めを守り、禅定【瞑想】を行い、知恵を得る)の3つを重視する運動を起こしていった。その代表的な宗派と開祖が、
  • 法然:浄土宗
  • 親鸞:浄土真宗
  • 道元:曹洞宗
  • (栄西):臨済宗
  • 日蓮:日蓮宗
が紹介された。なお、上記で栄西(番組では「ようさい」と発音された)がカッコに入っているのは、中国にも臨済宗が存在しているためと思われるが、未確認。

 ここからは私の感想になるが、いまの日本では、真言宗や天台宗の寺院も少なくないものの、宗徒の数から言えば鎌倉仏教や、そこから派生した新興宗教が圧倒的な数を占めているように思われる。ネットで検索したところ、こちら【文部大臣所轄包括宗教法人(文化庁「宗教年鑑 平成10年」より。平成9年12月31日現在】に主な宗派の信徒数が記されていたが、それによれば、
  • 天台宗:153万人
  • 高野山真言宗:548万人
  • 浄土宗:603万人
  • 浄土真宗本願寺派:694万人
  • 真宗大谷派:553万人
  • 曹洞宗:157万人
  • 臨済宗妙心寺派:32万人【他に各派あり】
  • 日蓮宗:358万人
などとなっている。もっとも同じ頁には「神社本庁の信徒数:9415万人」となっていて、上記の仏教系の信徒数と合計すると日本の人口を遙かに上回ってしまう。【さらに新興宗教の信徒も相当な数にのぼっている】

 なお、京都で拝観可能な主な寺院は、
  • 京都五山:臨済宗
  • 金閣寺・銀閣寺:臨済宗相国寺派
  • 延暦寺:天台宗
  • 大徳寺:臨済宗
  • 清水寺:北法相宗
  • 東寺:真言宗
  • 知恩院:浄土宗
  • 東本願寺・西本願寺:浄土真宗
  • 三千院:天台宗
  • 大覚寺:真言宗
となっていて、京都の街中のお寺は鎌倉仏教のお寺が圧倒的に多い。京都は平安京なので、平安時代に建立されたお寺が多いと思ったら大間違いである。

次回に続く。