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2月3日にTV東京系で放送された、 ナゼそこ? 「1日1本(秘)路線バス終点の先に住む秘境人」SP の後半部分をTverで視聴した。佐田岬半島は2010年12月に一度訪れたことがあるが(こちらとこちらに写真あり)、そこに暮らす人々がどうやって生計を立てておられるのかは全く分からなかった。今回の放送では、
なお、この番組で多少気になるのは、登場された人たちの個人情報が悪用されないかという点。もっとも、番組の性質上、取材地の住所、行き先、登場者のお顔や年齢などを伏せることは難しいだろうが、せめて実名は避けたほうがよいような気がする。 |
【小さな話題】令和の寺子屋「生命って何だろう 生物学者・福岡伸一」その6 全ての生物はなぜ死ぬか(3)エントロピー増大の法則は喩え話か? 昨日に続いて、NHK-Eテレで1月30日の16:15〜17:00に放送された表記の番組についての感想。 放送の後半では「全ての生物はなぜ死ぬのか」について、福岡先生の考えが紹介された。 まず示されたのは、水が張られた容器にインクをたらすという実験であった。インクは放っておいてもだんだんと広がっていった。福岡先生は、
細胞だけは簡単に散らばらないで、人間だったら70年とか80年くらいはエントロピー増大に抵抗して生き続けている。つまり、自分自身を一生懸命壊すことによって、エントロピー増大の法則が襲ってくるよりも先回りして、それよりも早く壊して早く作り替えたらエントロピーが襲ってくるよりもどんどん自分が変われる。だから、一生懸命生物は自分自身を壊している。そして作り替えている。 ここまでのところでいったん私の考えを述べさせていただくが、「エントロピー増大の法則」を生命に関連付けた話は、生物学者 福岡伸一教授_botでも繰り返し発言されているので(←botなので当然だが)知っていたが、私には、そもそも「エントロピー増大側」が万物に例外なく当てはまることなのか、それとも本来は熱力学限定の法則であって、多分野での類似した乱雑化現象は別の原理によるものではないか、あるいは単に比喩的に言及されているだけではないか、というよく分からないところがあった。 こちらの記事にもあるように、エントロピー増大の法則は、簡単に言えば、 ●「物事は放っておくと乱雑・無秩序・複雑な方向に向かい、自発的に元に戻ることはない」 ということであるというが、すべての事物が乱雑化されるわけではない。例えば、雪の結晶(雪片、氷晶)はとても美しい形をしているが、別段、雪に細胞があるわけではない。上記の1.や3.で「形あるものは、形がなくなる方向にしか動かない。」、「この宇宙の全ては秩序がない方向にしか動かない。」と言われていたが、もしそうであるなら、恒星も惑星も誕生しないはずである。 こちらの説明にもあるように、もともとの熱力学における厳密な定義は、 ●断熱系においてある状態変化が起きた時、系のエントロピー変化dS >= 0 ※等号成立は該当変化が準静的過程の場合のみ ということであって、そこから、 ●孤立系における自発変化ではエントロピーは必ず増大する(dS > 0) というサブセットが導かれるという意味のようであった。なので、 エントロピー増大則で大事なのは「断熱系」という言葉で、エントロピー増大則は無条件で成立するわけではなく、断熱系、すなわち外界と熱のやりとりがない環境でのみ成立することを示しています。 ということで、熱力学におけるエントロピー増大則をそれ以外の諸現象と結びつけるには慎重な配慮が求められるように思われる。でなければ、あくまで喩え話、あるいはメタファーとしての使用にとどめるべきであると思う。 あくまで素人としての私の考えになるが、
次回に続く。 |