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岡大・図書館裏が土砂堆積場となっている。工学部の複合施設建設にともなう埋文調査のため、一時的に土砂を保管しているものと思われる。楽天版のほうで、イランの岩山の写真を掲載しているが、この土砂の山はそれらの風景を思い出させてくれる。 |
【小さな話題】n個石が入っている袋から1個以上無作為に取り出したとき、偶数個と奇数個どちらの確率が高い?(その3)なぜ奇数個が多い?/囲碁のニギリと将棋の振り駒の公平性 昨日に続いて、 ●n個石が入っている袋から1個以上無作為に取り出したとき、偶数個と奇数個どちらの確率が高い? という問題と、それに関連した「無作為」の意味について考察する。 昨日のところで、 「1〜nの書かれたn枚のカードから1枚を取り出す。奇数、偶数どちらのカードが出るほうが多いか?」という問題が出された時には、と述べたが、素朴に考えると、 ●自然数は奇数と偶数が半々のはずなのに、なぜ奇数のカードのほうが出やすいのか? という疑問が生まれてくる。これに答えるにはどうすればよいだろうか? 1つの説明は、自然数は1という奇数から始まっているというものである。1番目からn番目までのカードを用意する時、奇数を記したカードと偶数を記したカードは、nが偶数であれば同数であるがnが奇数であれば奇数個のほうが1つ多い。しかしこれは単に一番小さいカードが「1」という奇数であったために生じたものであり、仮に、「2〜nの書かれたn枚のカードから1枚を取り出す。奇数、偶数どちらのカードが出るほうが多いか?」というように問題を書き換えた時には、
上記では「2〜n」としたが、別段「0〜n」でも、「10〜n」であっても偶数が選ばれやすいことは同じである。 さて、以上に関連して新たに生じてくるのが、 ●囲碁で先手後手を決める時の「ニギリ」は公平と言えるか? という疑問である。ウィキペディアによれば、ニギリの手順は、
もっとも、いくら手のひらが大きい人でも180個の碁石をすべて握ることはできない。実際のnは、棋士が握ることのできる最大数と考えるべきであろう。 そしてその上で握られる個数が二項分布か一様分布か?を調べてみる必要がある。これは何とも言えない。実際の対局で何個握られたのかという記録があればよいのだが。但し、二項分布であれ一様分布であれ、これまでの考察によれば僅かながら奇数個が選ばれやすいことは予測されているので、当てる側は黒石を1個置くことで先手をとりやすい可能性はある。 ではどうすればより公平に先手後手を決めることができるのだろうか? まず、ウィキペディアに紹介されている連珠のニギリについて考えてみる。 両対局者が石を適当な数だけ握り、開いて一方が奇数(白黒合わせて奇数)ならば黒石を握った者がそのまま仮先となり、両者とも奇数もしくは偶数(白黒合わせて偶数)の場合は白黒を交換する。しかし、この方法は必ずしも公平とは言えないように思う。話を分かりやすくするために、仮に、それぞれのニギリ手において、奇数個が選ばれる確率が0.9、偶数個が0.1であったとすると、対局者をAさん、Bさんとした時、
なので、上記ほど極端ではないにせよ、合計個数が偶数になる確率のほうが大きいように思う。 上記のところで、合計数が偶数になったときはやり直し、奇数になった時は、
ところで、将棋の先手後手は振り駒で決める。ウィキペディアによれば、振り駒とは
ここでは表裏は半々の確率、つまり5枚のコインを投げた場合と同様であると考える。そうすると、コイン投げで表が出る確率はn=5、p=1/2の二項分布になるので、
但し、将棋の駒の「歩兵」と「と」では表と裏で彫られた凹みや書き込まれた漆の量が異なっており、表裏に働く力に影響を及ぼすような偏りがあるように思われる。もっともウィキペディアによれば、 日本将棋連盟は、2005年7月12日以降の公式戦における振り駒の結果を棋譜の備考欄に記録し統計をとることにしたが、2005年度の結果では統計的に有意な差はないとの結論になった。2005年7月12日〜2006年7月11日の1年間の1541局で、歩が多く出た局数は776(50.4%)、と金が多く出た局数は765(49.6%)であった。なお、この振り駒統計については2005年度の棋士総会において真部一男が提案し、理事会が受理したことがきっかけである。となっており、深刻ではないようだ。 |