Copyright(C)長谷川芳典 |
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5月2日の22時過ぎから翌日未明にかけて、北九州市の一部で局地的な雷雨があった。すでに眠りに入っていた頃、突然屋根や雨戸を叩きつけるような雨(おそらく雹を含む)が降り始めた。レーダーによれば、最も強いレベルの雨雲が洞海湾の南側を通過していたことが分かった。 |
【連載】加法的整数論の初歩を楽しむ(1)加法的に定義された素数とゴールドバッハ予想 4月30日の日記の終わりのところで、abc予想に関連して、 ●素数はかけ算の世界に存在する概念だと思うが、足し算の世界にも素数に似たような概念はあるか? という問題について考えていきたいと思う、と述べた。その後、隠居人的な楽しみの一環として、このことをあれやこれや考えてみた。その結果、素数という概念は、足し算だけが存在する世界(=かけ算の無い世界)に住む人でも着想できることが分かってきた。 まず、足し算だけの世界では、1を起点として、
こうして作り出された数の中には、n(nは自然数で、n>1)の和として表すことのできる数と、そうでないものとがある。
上記で、例えば「6=2+2+2」というのは「6=2×3」と同じことを言っているのだが、ここでは足し算だけの世界を想定しているので、×という演算は存在せず、あくまで「2を3回足し合わせる」ということになる。 さて、4月30日までで取り上げたabc予想は、足し算と掛け算をつなぐ不等式であった。これに対して、足し算だけの世界に存在する未解決問題として、ゴールドバッハ予想がある。 ●全ての 2 よりも大きな偶数は2つの素数の和として表すことができる。 この予想は、現時点では4×1018まで成立することが知られているが未だに証明されていないという。ちなみに、ここでは足し算の世界を想定しているので、「偶数」というのは「2で割れる数」ではなく「2を足し合わせることで作れる数」という意味になる。また素数の加法的定義は上に述べた通りである。 実際に、いろいろな偶数を素数の和として表してみると、
上記のうち「表し方が1通りしかない場合(素数の組が1つしか存在しない場合)」に相当する偶数は、数が大きくなるとなかなか見つけにくいように思われるが、それらが無限に存在するのか、また、それぞれの偶数の性質を見ただけで「1通りにしか表せない偶数」であると予測することができるのかどうかは、勉強不足のため分からない。いずれにせよ、それらを「加法的素数」とでも呼んで、その性質を調べることには意味がありそうな気がする。 ●加法的素数:2つの素数の和として一意的に表される偶数。6、8、12など。 不定期ながら、次回に続く。 |