じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 9月10日は旧暦8月15日の「中秋の名月」であったが、岡山ではあいにく雲が出ていて、丸い月を眺めることができなかった【写真上】。写真下は半田山植物園のススキの仲間。

 なお、中秋の名月は満月の前日になることが多いと思っていたが、今回の満月の瞬間は、同じ日の18時59分(月齢14.1)となっていてピッタリ一致した。
 ウェザーニュースの記事によれば、 「2021〜2023年の旧暦8月は新月から満月までの日数が比較的短く、旧暦8月15日と満月の日が重なりますが、その後6年間は満月が旧暦の8月16〜17日となるため中秋の名月と満月は重なりません。」とのことであった。満月が旧暦8月15日の翌日や翌々日の場合は、中秋の名月の月の出が早めの時刻になるのでお月見には注意が必要。なお、満月と中秋の名月の日がズレる原因について、ウェザーニュースの予報では新月から満月までの日数は13.9〜15.6日間と時期により変動するためと説明していたが、このほか、満月の瞬間が日にちの変わり目より少しだけ早いか、少しだけ遅いかという違いによってもズレる。例えば、満月の瞬間が23時59分の場合と24時01分(0時01分)の場合では2分しか違わないが、後者では日付が変わるので1日ズレることになる。

2022年9月11日(日)



【連載】チコちゃんに叱られる!「大西洋と太平洋」

 9月9日に初回放送された表記の番組についての感想・考察。この回は、
  1. 大西洋は「大」なのに太平洋は「太」なのはなぜ?
  2. 指パッチンで大きな音が出るのはなぜ?
  3. 座布団の隅に房があるのはなぜ?
 という3つの話題が取り上げられた。本日はこのうちの1.について考察する。

 “大西洋は「大」なのに太平洋は「太」”という疑問は、小学校の社会科・地理で海の名前を覚える際には私も疑問に思っていたが、「そういうふうに書く決まりになっている」ということであっさり納得していた。放送によれば、正解は「マゼランが嵐にあわなかったから」と説明された。マゼランは漢字を知らないはずなのになぜそうなったのかと新たな疑問が生じたが、もともと「大西洋」や「太平洋」という呼称は中国語由来であり、このうち「大西洋」は「中国の西にある大きな海」という意味、いっぽう「太平洋」は「パシフィックオーシャン」を意訳したものであったという。
 もともと、アトランティックオーシャンというのは、ギリシア神話のアトラスに由来し、「アトラスの海」という意味であったが、「大西洋」はこれとは別に、「西にある大きな海」という意味で名づけられた。
 いっぽう、パシフィックオーシャンのパシフィックには「穏やかな」「泰平な」という意味がある。これを名づけたのはマゼランであり、マゼランが悪天候のマゼラン海峡を西進して太平洋に入ったあと、4か月かけてグアム島に到達するまで一度も嵐に遭わなかったことからマゼランは「マーレ・パシフィクム(穏やかな海)」と名づけ、それが中国語で「太平洋」と訳された。
 じっさい、ランダムハウス英語辞典によれば、「pacific」には、「和解、平和愛好の、泰平な」といった意味があり、「a pacific era」と言えば「平和な時代」という意味となる【但し、定冠詞をつけて大文字で「the Pacific Era」とすると、「(経済・現代史などで)太平洋時代」という意味になる】。

 これらの由来から、「太平洋」は「太平・洋(太平な海)」、「大西洋」は「大・西洋(大きな西の海)」というように区切りが異なることも説明された。

 放送ではさらに、「太陽」も、日本ではかつては「大陽」と書かれていたが、江戸時代末期になって中国の表記を採用して「太陽」と書くのが一般的になったという。「太」という文字は「非常に大きい」という意味があるともいう。

 ここからは私の感想・考察になるが、「大」と「太」の区別は、これらを含んだ人名などの区別で結構迷うところがある。苗字で言えば「大田」と「太田」、男性に多い名前としては「○大」と「○太」の区別などである。同じことは地名についても言える。例えば、島根県の大田市は、「大」であり、しかも「おおだ」と発音する。いっぽう、群馬県には太田市があり、「おおた」と発音する。他にも、「常陸太田市」、東京の「大田区」などがあって紛らわしい。

 次回に続く。