じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 9月29日の夕刻、美しい夕焼けが見られた。写真では分かりにくいが、赤く染まった雲の合間には月齢3.5の月も見えている。

2022年9月30日(金)



【小さな話題】色や文字の見え方の不思議(2)この世に存在しない色(1)ピンク色

 昨日に続いて、YouTube動画で取り上げられていた色覚に関する話題。本日は、

【ゆっくり解説】実はこの世に存在しない奇妙な色とそれを見る方法【認知科学】

について考察する。

 この動画ではまず、色というものが物体そのものの属性ではなく、どういう光が反射しているのかによって決まると解説された。可視光線(光そのものは無色)が物体に当たるとその一部が吸収されて、残りの光が反射される。反射した光が目に入ることで色を感じることができる。人間の場合、多くの人は100万色を見分けることができる。これは目に赤、緑、青の波長に反応する3種類のセンサー(錐体細胞)の働きによるものであり、目の中に光が入るとそれぞれのセンサーが赤・青・緑がどれだけ含まれているのかを調べる。調べ終わった情報は脳に送られ、そこで脳によって色の組合せが行われることであらゆる色を感じることができる。但し、女性の中には4種類のセンサーを持つ人もいて1億色以上を見分けることができるというが、この話題については別に取り上げることにする。

 続いて、「この世に存在する色」とは可視光線のスペクトルに含まれている色であること、そのいっぽうでスペクトルに含まれていない色がどういうものかについて解説された。
  • 黒と白は光のスペクトルに含まれていないが、これは光の強さによって決まる色でありこの世に存在する。
  • ピンク色は、光の中から緑色の光を除くことでできる色。しかし、可視光が物に当たった時に緑色の反射を完全に吸収することはできないので、この世界でピンク色を作ることはできない。
  • ピンク色のように見えている色は、本当は紫に近い赤色。
  • 錐体細胞によって見ることができる光の波長は限られており、赤外線を見ることはできない。しかし脳は、頑張ってこの赤外線を感じようとするため、無理やり色を混ぜてしまう。こうしてできた色がピンク色。
  • マゼンタ」もこの世に存在しない色。マゼンタはピンク色より少し紫に近い。光のスペクトルで言えば、赤色に近い紫色。
  • 完全な黒は闇と呼ばれているが人間の目では見ることができない。人が色を感じるためには光が目に入らなければならないが、闇を見ても一切光が入らないのでそもそも闇は見ることができない。
  • 闇に一番近い黒色としては「ベンタブラック」という物質がある。

 ここまでのところでいったん私の感想・考察を述べさせていただくが、ピンク色やマゼンタがこの世に存在しないというのは、あくまで反射光としての色ではないかと思われる。動画で述べられていたように、可視光が物体に当たった時に、特定の波長の光を完全に吸収することはできないからである。しかし、光源色としては、このような色は確かにこの世界に存在している。上記のマゼンタは、RGB表記では(255,0,255)であり、じっさい、<font color="#FF00FF">●</font>というように指定すると、以下のような色を表現できる。



ちなみに、ピンク色のほうは、動画の解説では光の中から緑色の光を除くことでできる色とされていたが、ウィキペディアでは、
ピンク(英語: pink)は赤と白を混ぜて出来る色の一つ。しばしば明るい赤と表現されるが、より正確には明度が高く彩度の低い赤である。ピンクは濃淡によってさまざまなバリエーションが存在する。
となっていて、RGB表記でも(247, 171, 166)となっていた。じっさいに<font color=" #F8ABA6">●</font>というように指定すると、以下のような色になる。



但し、ウェブカラーでは#FFC0CBと表記された、以下のような色となる。



こちらの色のほうが私が思っているピンク色に近い。ウェブカラーについてはこちらに詳しい解説があるが、いずれにせよ、ピンク色がなぜこの世に存在しない色になるのかはイマイチ分からなかった。

なお、RGB表記で、赤色だけを完全に取り除いた色(シアン)と、色だけを完全に取り除いた色(黄色)はそれぞれ以下のようになる。これらの色も、反射光としてはこの世に存在しないはずだ【純粋な黄色は、花の色や絵の具の色として存在しているようにも思えるのだが】。



 次回に続く。