じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 複数のサイトで紹介されていた「4色型色覚」を調べるテスト【一段目】。4色型色覚の人はそれぞれの円の中に文字が見えるということであったが、画像処理ソフトでいろいろな補正を試みたものの【二段目以下】、前日掲載の「色の見分け方のテスト」と異なり、正解をあぶり出すことはできなかった。↓の記事参照。

2022年10月3日(月)



【小さな話題】色や文字の見え方の不思議(5)4色型色覚

 昨日に続いて、YouTube動画で取り上げられていた色覚に関する話題。今回は、以下のような動画で取り上げられている「4色型色覚」について考察する。
  1. 【ゆっくり科学】たった6%の人しか持っていない「4色型色覚」あなたはある?
  2. 【ゆっくり挑戦状】【4K】4色型色覚テスト 全問正解できますか?
  3. 【診断】あなたは「4色型色覚」持ってるか?
 4色型色覚についてはウィキペディアにも解説があり、該当部分を引用させていただくと【一部改変・省略】、
ヒトを含む旧世界の霊長類(狭鼻下目)の祖先は、約3,000万年前、X染色体に新たな長波長タイプの錐体視物質の遺伝子が出現し、X染色体を2本持つメスのみの一部が3色型色覚を有するようになり、さらにヘテロ接合体のメスにおいて相同組換えによる遺伝子重複の変異を起こして同一のX染色体上に2タイプの錐体視物質の遺伝子が保持されることとなり、X染色体を1本しか持たないオスも3色型色覚を有するようになった。これによって、第3の錐体細胞が「再生」された。
ヒトにおいては4種類の錐体細胞を持った4色型色覚の女性が生まれうる。世界の女性の2〜3%は4色型色覚であると発表されている。だが別の研究によれば女性で50%、男性で8%もの人々が4色の光色素を持つだろうという。いずれにせよ、ヒトにおける4色型色覚の実態は解明しきれていない。 4色型色覚とされるヒトは、英国では2人確認されている。一人は1993年の研究で、"Mrs. M"と呼ばれるソーシャルワーカー。もう一人は医師のSusan Hoganである。世界中の人々の間での錐体色素遺伝子の変異は広範に及ぶが、最も一般的かつ顕著な4色型色覚は、色覚異常としてよく見られる赤緑色素の変異(赤色色弱)の女性キャリア(英語版)と考えられる。これはX染色体の不活性化によって赤錐体が色弱であるものとそうでないものが混合することで起こる。
 このほか、
4色型色覚についてと同様に、第二色弱(緑色弱)と第一色弱(赤色弱)の両方の遺伝子を持つ女性が、後には赤と緑の不十分な錐体細胞が失われるものの、出生時には5つの異なるタイプの色を感じる錐体細胞を持つことが示唆されている。
という記述もあった。

 【診断】あなたは「4色型色覚」持ってるか?によれば、4色型色覚として最も考えられるのは、赤の錐体(L錐体)の突然変異と通常のL錐体の2つを持っている可能性であるという。これにより、3色型の人には同じ赤に見える色がわずかに異なって見える。つまり3色型の人に見えない色が見えているわけではなくて、類似した色の微妙な差を見分けられると言われている。
 この動画の後半では、4色型色覚の人が黄色い花を見ると花弁の端の部分が紫色のように見えること、またそのような色覚の持ち主として、アメリカ・カリフォルニア州に澄むコンセッタさんが紹介されていた。2012年頃、コンセッタさんが自らのスタジオでアートクラスを開催していたところ、3色型色覚者には黄色にしか見えない色が黄色と紫に分かれて見えていることが判明した。コンセッタさんには、
  • 夜空の星は黄色の混じったサファイア色に見える
  • 3色型には緑色にしか見えないユーカリの葉が、一部、紫や黄色に見えている
  • オウムの黄色いトサカにはうっすらした青緑がかかっているように見える
  • ピンクの色の花の中にライラックブルーやブルーの色味を感じ取ることができる
といった特徴があるという。

 上記のコンセッタさん(Concetta Antico、コンチェッタ・アンティコ)についてはネット上でもたくさんの紹介記事があり、いくつか抜粋すると、  コンセッタさんの作品はカラフルで素晴らしいとは思うが、私のような3色型色覚者が4色型色覚者の絵画の価値を判断できるのかどうかは分からないところがある。

 なお、錐体細胞の種類の多いほうが画家として成功するかどうかも何とも言えないように思う。しばしば指摘されているように、ゴッホは「P型色弱」であると推定されている。3色型色覚者が見ているゴッホの色彩は、ゴッホ本人が見ている色ではない可能性があるが、それにもかかわらずゴッホの色彩は、3色型色覚者から高い評価を得ている。

 次回に続く。