【連載】チコちゃんに叱られる!「ポリフェノール」「サッカーのスローイン/ハンドスプリングスロー」
昨日に続いて、11月11日に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
- なんでサケは広い海から生まれた川に戻ってこられるの?
- ポリフェノールってなんなの?
- なんでサッカーのスローインは両手で投げるの?
という3つの話題が取り上げられた。本日は残りの2.と3.について考察する。
まず2.のポリフェノールだが、私は、赤ワインやブルーベリーに含まれている物質かと思っていたが、放送では「植物の苦味や渋味成分全般をひっくるめてポリフェノール」であると説明された。
放送によれば、ポリフェノールは特定の1つのものを指すのではなく、植物の苦味・渋味成分の殆どのことを指している。じつはポリフェノールは殆どの植物に含まれている。但し、その種類は多種多様であり、放送で紹介された果物について言えば、
- 緑色のブドウ:レスベラトロール
- イチゴ:エラグ酸
- バナナ:ドーパミン
- 桃:カテキン
- 柿:タンニン
- グレープフルーツ:ナリンゲニン
- 温州ミカン:ヘスペリジン
- ブルーベリー:アントシアニン
- ポンカンのような柑橘類:エリオシトリン
- リンゴ:プロシアニジン
といった違いがあるという。もっとも上記の果物とポリフェノールとの対応は瞬間的に表示されただけなので、実際はいろいろな種類が混じっているのかそれとも本当にそれぞれの果物に対応しているのかは確認できていない。上記のうちバナナにドーパミンが含まれるというのはちょっと意外であったので検索してみたが、「ドーパミンの原料となるのは、たんぱく質です。その中に含まれる、必須アミノ酸のフェニルアラニンとアミノ酸のチロシンが合成させて作られています。タンパク質が豊富な食べ物は心身の疲れを軽減させるといわれています。フェニルアラニンやチロシンを多く含む食品には牛肉、豚肉、 大豆、アボカド、バナナ、アーモンド、卵、チョコレート、コーヒー、緑茶、牛乳、ヨーグルト、チーズなどがあります。」となっていて、(ドーパミンの原料となる物質が)バナナが含まれていると記述されていたが、そのいっぽう、パーキンソン病の薬として使われるドパミン含有製剤は「cc群レモン水と一緒に飲むと効果が強くなることがあります。逆にバナナと一緒に飲むと効果が弱まることがあります。」という記述があり、バナナは逆の効果をもたらしているように思われた。
元の話題に戻るが、ポリフェノールの種類は約7000〜8000種類もあり、その全貌は明らかになっていないという。もっとも放送では、何がポリフェノールの定義が説明されておらず、何がポリフェノールで何がそうでないのかがイマイチ分からなかった。さっそくウィキペディアで調べたところ、
ポリフェノール(polyphenol)は複数のフェノール性ヒドロキシ基(ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環に結合したヒドロキシ基)を分子内に持つ植物成分の総称。
ほとんどの植物に含有され、5,000種以上ある。光合成によってできる植物の色素や苦味の成分であり、植物細胞の生成、活性化などを助ける働きを持つ。
と説明されていた。なおフェノール類とは「芳香族置換基上にヒドロキシ基を持つ有機化合物を指す」。
放送では、大豆のイソフラボン、柿のタンニン、ブルーベリーのアントシアニン、お茶に含まれるカテキンもすべてポリフェノールであると説明された。殆どの植物にポリフェノールが含まれている理由は2つあるという。
- 苦味・渋味で虫や鳥に食べられるのを防ぐため。例えばアーモンドの種の周りの薄皮にはレスベラトロールというポリフェノールが含まれている。鳥たちはその渋味を避けて果肉部分だけを食べるので、種は吐き出されたり丸呑みされたりするため生育範囲を広げることができる。
- 紫外線対策:ポリフェノールは紫外線を吸収したり、発生した活性酸素を退治している。ポリフェノールが無ければ植物は生きられないという。
このうちの2番目の効果に関連して、ポリフェノールを含む食物を摂取することで体内の活性酸素を退治してくれることが研究により分かっているという。但しここまでの話から言えば、別段、赤ワインを飲まなくてもポリフェノールは摂取できそう。放送では、野菜たっぷりのちゃんこ鍋が推奨されていた。
補足説明として、ポリフェノールは植物の色素成分でもあり、アジサイの青やイチゴの赤など、花や果物の色の殆どはポリフェノールによるものだという。花桃の花の色や紅葉時の葉っぱの色が異なっているのもおそらく、桃色と白色の花桃でポリフェノールの成分もしくは量に違いがあるためではないかと思われた。
最後の「なんでサッカーのスローインは両手で投げるの? 」という疑問であるが、私はもともと「スローイン」というのはバスケットボールの用語だと思っていたり、スローインではなくスローイング(throwing)だと思い込んでいたことがあり、両手で投げなければならない理由は考えたことがなかった。放送によれば、正解は「クリケットの選手がめちゃめちゃ遠くに投げたから」であるという。
- サッカーはイングランドのモブフットボールが起源。この時点ではコートや人数には決まりが無く、ボールを奪い合うだけであった。
- 19世紀に入った頃にロンドンのパブリックスクールで授業の一環として教えることになった。1863年にフットボール協会が発足し、グランドの大きさ(縦最大183m、横最大91m)、反則事項などの新しいルールが定められた。
- 当時はスローインの投げ方は決められていなかった。しかしその後、身長190cm近くもあるウィリアム・ガン選手(1858〜1921)が片手で50m以上飛ばしたという。放送で行われた実験によれば、現役大学生のゴールキーパーが片手で投げられる記録は最長で36.9mであり、ウィリアム・ガンがいかに遠くまで投げられたかが分かる。
- ウィリアム・ガンは冬はフットボール(サッカー)、夏はクリケットの選手として活躍していたが、スローインが遠くに飛びすぎて直接ゴールも狙えてしまうことからクレームが続出し1883年に正式に両手投げルールになった。
- ウィリアム・ガンはその後サッカーを引退しクリケットに専念。
- 最近ではイランのナーデル・モハマディ選手がハーフウェイラインから一回転してゴールまで投げるハンドスプリングスローを披露して観客を驚かせているという。スローインの世界記録は59.817m(最長ギネス記録。アメリカ人のマイケル・ルイスによる)それを越えているのではと話題になっているという。なお、サッカーの経験のある岡村さんの話では、かつて高校サッカーでも市立船橋の選手がやったことがあるという。ハンドスプリングスローについてはこちらに詳しい情報あり。またこちらからはアイスランドのソルステインソン選手によるハンドスプリングスローの動画がリンクされている。
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