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北九州・めかりPAから眺める関門橋。2021年10月22日には新トイレ棟と展望デッキがオープンし、抜群の展望となった。 関門橋は東側の本州と西側の九州をつなぐ橋であるが、関門海峡の地形により、下関側が北西、文字側が南東に位置しているため、季節によっては下関側がに夕日が見えることがある。 |
【連載】ヒューマニエンス「“文字” ヒトを虜にした諸刃の剣」(2) 昨日に続いて、10月25日に初回放送された、 NHK ニューマニエンス「“文字” ヒトを虜にした諸刃の剣」 についてのメモと感想。 放送では、続いて、中国語では「あて字」として、表語文字である漢字を表音文字のように使うことがあると紹介された。例えば「アインシュタイン」は「愛因斯坦」と表記される。日本でも「亜米利加」とか「英吉利」といった表記があったようだ。外国の固有名詞に対応する「あて字」には興味深いものがあるが、そもそも誰が「アインシュタイン」を「愛因斯坦」という漢字で表記することを考案したのか? 報道機関あるいは政府機関で統一がはかられたのか? それとも当初は自然発生的に複数の表記法が提案され、そのなかで多数派となった表記が定着していったのか? よく分からないところがある。そういえば、ドナルド・トランプは中国語では「唐納・川普」という表記されたり「唐納コ・特朗普」と表記されたりすることがあった【簡体字は日本の漢字に書き換え】。 表音文字と表語文字、表意文字の違いについては昨日も言及したところであるが、「アルファベットは表音文字」で「漢字は表語文字」という二分法については他にも納得できないところがある。というのは、アルファベットは音を表すといっても、じっさいは1文字1文字を発音するわけではない。英語では文字を組み合わせて単語を作るが、これは偏や旁を組み合わせて作る漢字と同じことになるのではないか? 上記とは別の見方になるが、多くの場合、漢字は熟語として意味をなすと考えることもできる。例えば「日」は「day」、「本」は「book」というように1文字としての「表語文字」になっているが、これらを並べた「日本」あるいは「本日」は全く別の意味となる。こうした熟語形成の利便性についても注意を向ける必要があるだろう。 上京して電車に乗った時にしばしば感じることだが、漢字で表記された駅名は殆どが2文字〜4文字であり老眼の私でも読み取れるのに対して、ローマ字表記の駅名は小さい文字がたくさん並べられていて到底読み取れたものではない。ま、日本の駅名だからこそ漢字で書かれたほうが読みやすいためなのだとは思うが、アルファベット表記のほうが文字が小さくなるぶん、読み取りにくくなることは確かである。 放送では続いて、はるか昔の人々の暮らしぶりを知ることができる、という「文字がもたらした光」の例として、
そのいっぽう「文字がもたらした影」としては、 ●文字が読み書きできるのは一握りの人たちだけであり、文字があったことで社会の不平等や格差をさらに広げていった。 というように人々に格差をもたらしたという負の側面が指摘された。 次回に続く。 |