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半田山植物園の南東斜面にある白梅。毎年、白梅の中では園内で最も早く開花する。昨日掲載の寒紅梅と合わせて、紅白の梅の開花が始まった。
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【連載】ヒューマニエンス「“退化” もう1つの進化の道筋」(3)足の小指、表情筋、虫垂 昨日に続いて、2022年12月20日に初回放送されたNHKヒューマニエンス ●「“退化” もう1つの進化の道筋」 についての備忘録と感想。本日が最終回。 フェロモンや嗅覚の話題に続いて、放送では足の小指をぶつけてしまう現象と「脳が退化を促す!?」について興味深い話題が取り上げられた。私たちの足の指は手の指より短く、とりわけ小指は短くなっている。チンパンジーの足の指は手の指と同じくらいしっかりしていて、足の小指の骨もしっかりしているのに対して、人間の小指は小さく、ぶつけてしまうことがある。 松田哲也先生(玉川大学)によれば、脳は自分のボディー感覚を持っており、ぶつかったりしないように生活できている。スクランブル交差点で体をぶつけずに横断できるのは、脳が体の輪郭を正確に把握しているおかげ。ところが脳は足の小指を把握していないのではないかと指摘された。脳の中で足の小指の制御がおろそかになり小指の積極的な退化を促している可能性があるという。放送では、小林吉之先生(産業技術総合研究所)ほかが発表した研究『ヒト足部の身体位置覚に関する研究』(日本機械学会論文集, 2007, 73(725))の一部が再現された。その実験は、
ヒトは立っている時に小指には体重がかかっていない。小指の骨は本来3本であるが、先端の1本目と2本目の指がくっついて2本になっている人が多くなっており、日本人では80%に達しているという(ヨーロッパでは37%)。ということで私もさっそく靴下を脱いで確認してみたが、触っただけでは小指はおろか隣の薬指についても2本なのか3本なのかを判別することができなかった。 続いて取り上げられたのは表情筋であった。ヤマザキマリさんからは、いまの時代、皆パソコンの前に座っていておまけにマスクまでしていて表情筋を見せる必然性が無くなっており、じっさい表情の無い人もいるという発言があった。いっぽう坂井先生からは、表情筋の中でも必ず残るものとして、
最後に取り上げられたのは虫垂の役割であった。 虫垂炎は盲腸からヒモのように出ている虫垂の炎症であり15人に1人が経験するという。虫垂は要らない臓器であるとされており、虫垂炎になると切除するのが常識であった。しかし2015年に台湾の研究チームが発表した論文では、虫垂を切除した人は大腸癌のリスクが2.1倍に高まると報告された。虫垂にはリンパ組織があるが、竹田潔先生(大阪大学)が、虫垂のあるマウスとそれを切除したマウスで比較したところ、免疫物質IgA(アイジーエー)の量に顕著な差があった。このことから虫垂にあるリンパ組織が大腸で作られるIgAの産生に極めて重要であり、このIgAは大腸の腸内細菌をコントロールし、これによって大腸の健康が維持されることが分かってきたという。 もともと虫垂のある盲腸は腸内細菌を多く棲まわせ食物繊維(セルロース)を分解する場所であったが、ヒトでは食生活がかわり盲腸の役割が小さくなっていった。こうした盲腸の退化でできたのが虫垂であると考えられている。竹田先生は、虫垂がヒモ状になった理由について、中に入り込む腸内細菌を加減して免疫機能を調整しているため、つまり虫垂の先にある免疫組織まで腸内細菌が行きにくくするためにヒモ状の細い管のようなものに進化していったのかもしれない、と指摘しておられた。 虫垂炎は抗生物質でも治せるようになったので現在では重症の場合のみ切除が行われているという。坂井先生によれば、胃腸を含めて消化管はすべて免疫器官でもあるという。そのうち消化機能が無くなって純粋な免疫器官になったのが虫垂である。なお、虫垂を切除してから3年半を過ぎると、大腸がんリスクは殆ど変わらなくなる。私自身は小学校5年生の頃に虫垂切除の手術を受けたことがあったが、古希を迎えた現在では大腸がんリスクが特に高いと心配する必要は無さそうである。 放送の終わりのところでは、坂井先生から、 ●【退化器官は】いきなり完全に無くなるのではなくて、退化しつつある状態はこれからまた新しい状況になって進化していった時に、そこからまたその器官が復活して大きく発達したり新しい機能を持つといった可能性を残しているのが退化器官の1つの役割である というようなまとめがあった。 あくまで比喩にすぎないが、今の社会の中で不要とされつつある道具・機械等についても、いきなり完全に無くすのではなく、一定部分は残しておいて、大規模災害などの不測の事態に備えることは意義があるように思う。例えば、
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