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10年に一度といわれる寒波の影響で、1月24日は岡山県北で大雪となった。夕刻の岡山市は晴れ間があり、雪雲のあいだから西の空には月齢2.5の月と金星が見えていた。 なお、1月25日朝の岡山は屋根や路面にうっすらと雪が積もっていたが、記録上の降水量は0.0ミリであった。最低気温はマイナス4.2℃で、朝8時の時点でもまだマイナス3.5℃という寒さが続いている。 |
【連載】ChatGPTの親近感とデタラメ度(4)AIの知能をテストする:「サリーとアン課題」「ウェイソン選択課題」「ベイズの定理」「モンティー・ホール問題」 1月21日に続いて、ChatGPTの話題。 ChatGPTにはその後もいろいろな質問や相談させていただいているが、今回は、「教えてください」と偽って、AIの知能や発達度合いをテストしてみた。 まず浴びせてみたのが、「サリーとアン課題」の変形。 ●家の中に、赤い箱と青い箱があります。兄がお菓子を赤い箱に入れて外出しました。弟はそのお菓子を青い箱に移しました。帰宅した兄は、お菓子を食べるために、赤い箱と青い箱のどちらを開けるでしょうか? と質問したところ、 兄は青い箱を開けるでしょう。それは弟がお菓子を青い箱に移したためです。というように、心の理論の未発達を示す解答をしてきた。しかしこれだけでは気の毒なので、 ●兄は、弟がお菓子を移したことを知らないので、赤い箱を開けるのではありませんか? と、質問を重ねたところ、 そうですね。兄は赤い箱を開けるのでしょう。彼はお菓子を入れた場所を覚えているからです。弟がお菓子を移したことを知らないため、彼はまず赤い箱を開けるでしょう。と訂正してきた。 続いて、ウェイソン選択課題の変形。 ●4枚のカードがあります。カードの表には平仮名またはアルファベットの文字が書かれています。カードの裏には1桁の数字が書かれています。4枚のカードにはそれぞれ「平仮名の「あ」、アルファベットの「F」、数字の「2」、数字の「9」が書かれていました。このとき「表が平仮名ならば裏側はかならず偶数である」という規則性があるかどうかを調べるには、どのカードを裏返す必要があるでしょうか? と質問したところ、 「表が平仮名ならば裏側はかならず偶数である」という規則性を調べるためには、「平仮名の「あ」」のカードを裏返す必要があります。それによって「表が平仮名である」という条件が満たされ、それに対応する「裏側が偶数である」かどうかを調べることができます。という解答になった。但しこれでは不十分な解答なので、 ●数字の「9」を裏返す必要もあるのでは? というように質問を重ねたところ、 そうですね。「表が平仮名ならば裏側はかならず偶数である」という規則性を調べるためには、「平仮名の「あ」」のカード、「数字の「9」」のカードを裏返す必要がありますという解答があった。最初の解答は不十分であったが、日本語で表記された複雑な文章をちゃんと理解し、問題の本質を捉えた上で解答しているというのは驚きだ。 3番目は、ベイズの定理に関する問題であり、 ●ある病気を調べる検査があります。この検査を実施すると、病気にかかっている人の90%は陽性になります。また病気にかかっていない人でも10%は陽性になります。また一般的にこの病気にかかる確率は1%です。ある人がこの検査を受けて陽性となった場合、その人が病気にかかっている確率はいくらになるでしょうか? と質問した。解答は、 その人が病気にかかっている確率は「病気にかかっている人のうち陽性になる確率」 ÷「陽性になる確率」になります。 病気にかかっている人のうち陽性になる確率は90%です。となっていた。私の理解では、ベイズの定理を適用すると、 P(B|A)=.90×.01/(.90×.01+.1×.99)=.009/(.009+.099)=.009/.0108=0.083 であり、0.083という私の解答に対して0.0826(8.26%)と少々食い違いがあった。「陽性になる確率は、病気にかかっている人が陽性になる確率(90%) + 病気にかかっていない人が陽性になる確率(10%) * 病気にかかっていない人の割合(99%) = 0.1% + 9.9% = 10.9%」という解答部分で、「病気にかかっている人が陽性になる確率(90%)」というのは正しくは「病気にかかっている人が陽性になる確率(90%)×病気にかかっている人の割合(1%)」として計算すべきであり、この値は0.1%ではなく、0.009(0.9%)としなければならないはずで、AIがなぜこkのようなミスをしたのかは分からない。 最後に、モンティー・ホール問題の変形を尋ねてみた。 ●A、B、Cという3つの箱のうちの1つに宝石があります。残りの2箱は空です。ある参加者はAの箱を選びました。その後司会者がBの箱を開けたところ中は空でした。その参加者は、最初に選んだAの箱を開けるか、選択を変更してCの箱を選ぶか、いずれかの権利を行使できます。このとき、Aを開けた場合とCを開けた場合ではどちらのほうが宝石を獲得する確率は大きいでしょうか? 解答は、 Aを開ける場合とCを開ける場合では、宝石を獲得する確率は同じです。それぞれ1/3の確率です。 最初にAを選んだので、司会者がBの箱を開けたとしても、Aの箱に宝石がある確率は1/3のままです。そして参加者が最初に選んだAの箱を開けるか、選択を変更してCの箱を選ぶかのいずれかを選ぶことができます。どちらを選んでも、宝石を獲得する確率は1/3の確率です。というように、ありがちなミスをおかしていた。そこで、 ●Aに宝石がある確率は1/3ですが、BとCのいずれかに宝石がある確率は2/3となります。司会者がBを開けて空だったことを確認しても、BまたはCに宝石がある確率は2/3のままですから、Cに変更したほうが宝石を獲得する確率は高くなるのではありませんか? と質問を重ねたところ、 そうですね、選択を変更してCを選ぶほうが宝石を獲得する確率は高くなります。 司会者がBを開けて空だったことから、宝石がある箱は残りのCだけと分かります。そのためCに宝石がある確率は1/1 = 100% になります。その為、Cに変更したほうが宝石を獲得する確率は高いです。と回答された。Cに宝石がある確率は100%ではなく2/3であると思うが、とりあえず当初の「1/3のままで変わらない」という解答は撤回されていた。さらに、 ●この問題は、モンティーホール問題ではありませんか? と尋ねたところ、 はい、そうです。この問題は、モンティ・ホール問題と呼ばれる確率学の問題です。モンティ・ホール問題は、司会者が宝石が入っていない箱を開けることで、選んだ箱が宝石を含んでいる確率を高めることができるというものです。 と、自分の当初の間違いには言及せず、涼しい顔をしていた。 なお、ウィキペディアにも記されているように、このゲームでは、
次回に続く。 |