じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 2月9日、「濃厚うに包み」(190円)や「いくら」(190円を期間中130円)を目当てに回転寿司屋に行った。「濃厚うに包み」は1皿1貫と少量であるため、夫婦合わせて10皿ほどを注文し、他のネタと合わせて、130円皿4枚、190円皿14枚、370円皿4枚という、年金生活者には不相応のかなりの出費になった【但し、5%クーポンなどの使用により実質は3100円ほど】。
 なお、昨今の迷惑行為を反映して、レーン上から自由に取れるお皿は1枚もなく、すべてタッチパネルからの注文となった。もっとも、私の場合は老眼のためタッチパネルの文字は殆ど読めない。今回は妻に注文を代行してもらった。

2023年2月10日(金)



【連載】ChatGPTの親近感とデタラメ度(12)行動分析学について尋ねる(2)

 2月9日に続いて、ChatGPTの話題。引き続き、行動分析学に関するやりとりについて取り上げる。昨日同様、一部のテーマについてはかなり正確な回答を得ることができたいっぽう、全くデタラメな内容になることもあり、行動分析学関連授業のレポートや答案作成に不正利用した場合には、大幅減点で不合格になる可能性が高いように思われた。なお、以下の記事の中の「採点」の数値は、期末試験でこれらの問題が出題された場合に、私ならこのように採点するだろうという意味。もちろん、実際に採点する場合は、より詳細な採点基準を明示する必要がある。




 まず、スキナー関連の質問をいくつか。

スキナーの言語行動理論はどのように批判されていますか?
【AI】スキナーの言語行動理論は、言語に関する研究界隈では広く受け入れられていますが、様々な批判もあります。
一つは、スキナーの言語行動理論は、言語を単純な反応として扱っているという批判です。スキナーは、言語を単に口から出る音や文字として扱っており、言語には意味や文化的な背景がないと考えています。これに対して、他の研究者たちは、言語は文化的な背景や意味を持つものであると主張しています。
もう一つは、スキナーの言語行動理論は、言語の使用が単純な反応としてのみ説明できるという批判です。スキナーの言語行動理論は、言語が環境に対する反応であると考えていますが、実際には言語はコミュニケーションや思考など、複雑な目的を持って使用されることもあります。
その上言語は文化的背景によって形成されるので文化心理学的アプローチが必要とされることもある。
うーむ。全くの的外れというわけでもないが、関係フレーム理論で指摘されているような問題点は全く触れられておらず、30点/100点といったところか。

次に、

スキナーは「自己」についてどのように考えていますか?
【AI】スキナーは、「自己」を、行動を引き起こす内在的な要因であると考えています。彼は、「自己」を、生物学的な需要や欲求、そして環境からの刺激に反応する、単純な反応システムとして捉えています。
スキナーは、「自己」を、自分自身の意識や思考といった高次の概念からは独立して考えることができると考えており、言語や文化などの社会的要素によって形成される「自己」ではないと考えています。
スキナーの言語行動理論によれば「自己」は環境に対する反応だけによって形成されるため、言語や文化などの社会的要素によって形成される「自己」を考慮することはない.
上記の“「自己」を、行動を引き起こす内在的な要因であると考えています”というのは全く的外れと言わざるを得ない。また言語行動と自己についての関係も曖昧で、10点/100点といったところかと思う。




 続いて、行動主義関連のやりとり。

徹底的行動主義(radical behaviorism)と方法論的行動主義(methodological behaviorism)の違いについて教えてください。
【AI】徹底的行動主義 (radical behaviorism) は、B.F.スキナーが提唱した思想で、心的現象は存在しないと考え、すべての行動は外部の刺激によって引き起こされると考えています。一方、方法論的行動主義 (methodological behaviorism)は、心的現象は考慮しないでも研究することができると考えて、行動を観察し、記述し、解釈することに重点を置きます。
徹底的行動主義は完全に行動を解釈するのに対し、方法論的行動主義は行動を理解する手段として使用します

 なんだか、分かったようで分からないような回答となった。私的事象の扱いや、機能的文脈主義に言及していないところなど、不十分な点が多い。30点/100点といったところ。

巨視的行動主義と微視的行動主義の違いについて教えてください。
【AI】「巨視的行動主義」と「微視的行動主義」は、社会学における行動主義理論の二つのアプローチです。
巨視的行動主義は、社会全体を見る視点で、社会全体の組織や構造が社会行動にどのように影響を与えるかを研究します。それに対して、微視的行動主義は、個人や小グループの行動を見る視点で、個人や小グループがどのように社会的環境や文化に影響を受けながら行動するかを研究します。
微視的行動主義は、社会学的な視点で、個人の心理や行動の機能に焦点を当て、巨視的行動主義は、社会学的な視点で、社会構造が個人の行動にどのような影響を与えるかに焦点を当てる。

 この回答は社会学の別の理論には当てはまるかもしれないが、行動分析学分野での捉え方としては全く的外れと言わざるを得ない。個人単位(個体レベル)での行動を説明する上での巨視的視点と微視的視点の違いに言及されておらず、10点/100点と、大幅減点。
 続いて、Rachlinからの連想で、

Rachlinの目的論的行動主義とはどのようなものでしょうか?
【AI】Rachlinの目的論的行動主義は、行動主義の分支として、個人の行動がどのように目標に向かって統合されるかを研究するアプローチです。
Rachlinによると、個人の行動は、目標や願望に向けられ、その目標を達成するための戦略やプランを立てることで説明できると考えられます。このアプローチでは、個人がどのように目標を選択し、どのようにその目標を達成するために行動するかに焦点を当てます。
Rachlinの目的論的行動主義は、行動主義に基づいているが、それに加えて個人がどのように考え、意思決定をするかを研究することで、より詳細な行動の説明をすることができる。

 これも、分かっているようでちっとも分かっていない回答。どうやらRachlinの著作や論文は1つも読んでいないようだ。20点/100点程度か。




 もう1つ、

シドマンの「刺激等価性」研究は、行動分析学にどのような影響を及ぼしたでしょうか?
シドマンの「刺激等価性」研究は、行動分析学に大きな影響を及ぼしました。
刺激等価性とは、異なる刺激が、同じ反応を引き起こすことを指します。シドマンは、この「刺激等価性」を実験的に証明することによって、スキナーの「言語は単純な反応だけである」という考え方に対して、言語は意味を持つものであることを示しました。
シドマンの研究は、言語は意味を持つものであり、社会的な背景や文化的な要素が影響を与えることを示したことで、行動分析学において言語研究に対するアプローチを改めるきっかけを与えました。それによって現在の言語行動療法や言語療法研究にも大きな影響を与えた.
 回答の前半部分は正しいが「言語は意味を持つ」というのが何を意味するのか分からない。こちらの説明にあるような「任意の事物・刺激間に成立した、機能的な交換可能性」に言及していないという点で35点/100点といったところか。

 次回に続く。