Copyright(C)長谷川芳典 |
※クリックで全体表示。 |
2月13日は、妻を車で送迎したついでに、近隣の回転寿司屋で食事した。2月9日に訪れた回転寿司屋では「レーンにはお皿を流さずオーダー品のみで対応」していたが、こちらのお店では、レーンでは多様なネタの115円皿が流れていた(別価格品はオーダーによる)。妻はいろいろオーダーしていたが、私はすべてレーンのお皿だけで満足できた。 |
【連載】ChatGPTの親近感とデタラメ度(13)行動分析学について尋ねる(3)RFT、ACTなど 2月10日に続いて、ChatGPTの話題。引き続き、行動分析学に関するやりとりについて取り上げる。 その前に、昨日の日経Viewsに ●間違いだらけのChatGPT 真の知能にはなお遠く という記事があった。その中で、「兄と姉はどう違いますか?」とチャットGPTに尋ねてみる。回答は「兄弟関係は家族構成や生まれ順によって異なりますが、兄は通常、姉よりも年齢が上です」というような誤答が返ってくるという。その理由として、 現在使われる言語モデルのほとんどが機械学習型のAIであるためだ。そこで扱う言葉は、基本的には単語や文節の「並び方」であり、機械が膨大な過去の文章を読み込むことで並び方のパターンを認識する。その上で各パターンの現れる確率をはじき出し、質問に続く確率の高い文字列を引っ張り出して表示する仕組みだ。という点を挙げている。このことからの推測になるが、ある専門分野について尋ねる場合、唐突に「○○について教えてください」という形で質問すると、その専門分野とはあまり関係の無い別分野の用語のほうが検索されてトンチンカンな回答が出やすくなってしまう。いっぽう、質問の中で当該分野に関連づけられるような文脈を提示しておくと、かなり正確な回答を得ることができるようである。 このことは行動分析学関連のやりとりの中でも明らかになっている。まず、唐突に、 ●関係フレーム理論について教えてください。 と質問したところ、 【AI】「関係フレーム理論」は、社会心理学において、人間がどのように他人との関係を構築し、その関係がどのように経験や行動に影響を与えるかを研究する理論です。という、全く的外れな回答がかえってきた。しかし、 ●スティーブン・ヘイズらが提唱した「Relational Frame Theory(関係フレーム理論)」では、言語行動はどのように説明されていますか? というように、文脈を明確にして質問したところ、 【AI】Relational Frame Theory (RFT)は、言語行動についての理論で、スティーブン・ヘイズらによって提唱されました。RFTは、言語は、概念の関係性を構築する能力を持っていることを基礎にしています。それにより、言語を使って概念を構築し、それらの概念の関係性を理解することができるようになると考えられています。というように、かなり正確な回答が得られた。 このWeb日記で何度も取り上げているように「関係フレーム」というのは般化オペラントであり、多数の範例を繰り返し学習するなかで構築されていくとされている。AIの機械学習でもこの「関係フレーム」型の般化をうまく組み込めば、人間並みの学習・思考能力を身につけられるはずだと思うのだが、実際はどうなっているのだろうか。 さて、上記のRFTつながりで、いくつか関連するやりとりを続けてみた。まず、 ●「アクセプタンス・アンド・コミットメントセラピー」は誰によって創始されましたか? 【AI】「アクセプタンス・アンド・コミットメントセラピー」(Acceptance and Commitment Therapy, ACT)は、スティーブン・C・ハイ、ジョン・T・フォスター、そしてジョン・K・サイモンによって創始されました。回答の中の「スティーブン・C・ハイ」というのは「スティーブン・C・ヘイズ」のことだと思われるが、ネイティブの発音では「ハイ」のように発音されるのだろうか。「ジョン・T・フォスター」はこちらに該当者と思われる人物の自己紹介が掲載されているが、工学系の研究者であってなぜ名前が挙げられたのかは謎である。「ジョン・K・サイモン」という人物も失礼ながらお名前を聞いたことがない。 いっぽう、 ●アクセプタンス・アンド・コミットメントセラピー(ACT)について教えてください。 という質問に対しては、 アクセプタンス・アンド・コミットメント・セラピー(Acceptance and Commitment Therapy、略してACT)は、精神療法の一種で、ストレスや不安、悩みや苦しみに対処するために、受容やコミットメントを用いることを重視するアプローチです。という、一部誤解があるもののまずまずと思われる回答が返ってきた。 もっとも、ChatGPTに「○○について教えてください」と質問するくらいなら、ウィキペディアなどで検索したほうがより精度の高い情報が得られるように思う。 不定期ながら次回に続く。 |