じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



03月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る



クリックで全体表示。
 各種報道によれば、新型コロナの感染症法上の位置づけが5月に移行されるのを前に、3月13日からマスクの着用が屋内・屋外を問わず、個人の判断に委ねられることになった。これを受けて半田山植物園でも、入園時に義務づけられていた手指消毒と検温が任意となり、機器類は入口隅に移動【写真赤枠内参照】、また関連ポスターも撤去されていた。なお、右端の掲示は、上から「年齢を証明できるものがあれば65歳以上は無料」、「有料入園者は駐車場料金が割引」、「熱中症予防」のポスターであり、コロナとは関係ない。

2023年3月14日(火)



【連載】対話型AIの可能性を探る(6)『銀河鉄道999』の結末

 2月21日の日記で、『銀河鉄道999』の話題を取り上げた。『銀河鉄道999』、印刷本の原作TV版アニメ、映画版アニメというように少なくとも3つの作品があり、それぞれ、登場人物の設定や結末が異なっている。私自身はTVアニメ版(1978年9月14日 - 1981年3月26日)を観て感動していたため、映画版の設定(鉄郎の年齢が10歳から15歳へと5歳引き上げられたことなど)に違和感があり、映画版がTVで公開された時には途中で観るのを止めてしまい、内容や結末は、あらすじを読んだ程度のことしか知らなかった。

 その映画版であるが、今回、松本零士さんのご逝去に際して、期間限定で映画版の第一作目がYouTubeの公式サイトから無料公開されていたので、これを機会に視聴した。以前、映画版がテレビで放送された時にはかなりの違和感があったが、私自身が歳をとって何でも受け入れられるようになったせいか、今回は特に抵抗感はなく、結末まで観ることができた。鉄郎の年齢が10歳から15歳へと5歳引き上げられたことについても、見方によってはそのほうが自然であるという気もしてきた。というのは、TVアニメ版のほうは、鉄郎が母親が殺された日に機械伯爵への復讐を遂げてメーテルと共に銀河鉄道999に乗るという展開になっているが、まだ幼い10歳の鉄郎が機械伯爵と戦って勝てるはずはない。その後のいくつかの星での戦いも、10歳にしては武器の使い方が上手すぎるという不自然さがあった。15歳という設定であれば、そのあたりは解消されるが、そのいっぽうで、思春期を迎えた(はずの)15歳の少年が年上のメーテルと一緒に旅を続けた場合には男女関係という別の問題が生じないのか?という気がしないでもない。

 とにかく、映画版の一作目を観たことで、TVアニメ版との違いを把握することはできた。もっともTVアニメ版のほうは最終回で完結しているのに対して、映画版のほうはさらに続編があり、最終的に鉄郎やメーテルがどうなったのかはよく分からないところがあった。ウィキペディアによれば、映画版には、テレビシリーズ放送中に夏休み映画として公開されてヒットした2本の長編作品と、1998年に公開された中編作品があるという。緑文字部分はウィキペディアからの引用【抜粋あり】。
  • 『銀河鉄道999 (The Galaxy Express 999)』1979年
    今回私が視聴した作品。漫画版アンドロメダ編を、コンパクトな形で再構成した全編新作のアニメ映画作品。
  • 『さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅』1981年
    前作からさらに2年後[注 11]の世界を舞台にした続編。1981年公開。
    松本零士は、続編を制作したのは、前作では解決していなかった機械帝国の問題に決着をつけ、少年の自立を描くためとして、これをもって『銀河鉄道999』は完結としていた。そのため前作で描かれなかった、生身の人間から魂を抜き取り、機械化人のエネルギーにしていたという「機械帝国の実態」と「メーテル、プロメシューム親子の過去」や車掌の正体という全ての謎を明かしている。生身の人間(鉄郎)と機械化人(黒騎士ファウスト)との戦いに決着をつけることで本シリーズ通じての根本のテーマである限りある命の尊さを印象づけた。機械化世界の衰退とそれへの反発を表現した内容が多く見られ、機械化世界のコントロールの難しさが表現されている。
  • 『銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー』1998年
    54分の中編作品。「999の年」ということから翌1999年に完結編となる2時間超の長編が予定されており、ストーリー的には導入部のみで完結していない。新作の本作が54分とOVA程度の時間尺であり、原作のエピソードが削られたり、もっと後の物語が含まれたりしていた。東映の直営館には上映終了後に多数の苦情が寄せられ、東映側が目標としていた配給収入7億円に及ばない約2億円の興行結果により、1999年公開予定の完結編は製作中止となる。
 ウィキペディアによれば、このほかにも、劇場公開作品が4本ある。また、YouTubeでは宇宙交響詩メーテル 銀河鉄道999外伝の動画も公開されている。あくまで私の推測だが、1999年公開予定であった完結編が制作中止となったことで、最終的な結末は確定していないように思われる。




 そんなこともあり、ChatGPTとBingに、

松本零士の『銀河鉄道999』は、漫画本、TVアニメ、劇場版アニメ、のほかいくつかの動画などがあり、結末がわかりにくくなっています。鉄郎、メーテルは最終的にどうなったのでしょうか?

と尋ねてみた。

 ChatGPTの回答は、
  • 漫画版:
    漫画版の結末では、鉄郎とメーテルは人工衛星トーラスでの戦いの末に、地球に帰還します。鉄郎はメーテルとともに地球を目指す途中で、地球に向かう途中の銀河鉄道999を降り、その後、自分が人間であることを知ったメーテルに見送られて地球に向かいます。
  • TVアニメ版:
    TVアニメ版の結末では、鉄郎は地球に帰還しますが、メーテルは銀河鉄道999に残ります。最後に、鉄郎がメーテルに対して「また会おう」と告げ、銀河鉄道999は次の冒険に向かって旅立っていくというエンディングとなります。
  • 劇場版アニメ版:
    劇場版アニメ版の結末では、鉄郎は地球に帰還し、メーテルとは別れます。メーテルは、かつて愛した男性のクロームドームと再会し、銀河鉄道999に乗り込んで彼と共に旅を続けます。

以上のように、作品によって結末が異なるため、ご自身で確認されたい場合は、それぞれの作品をご覧ください。
というものであった。3つの作品それぞれの結末は私が知っていた内容とほぼ一致していたが、ただ1点、「メーテルがかつて愛した男性クロームドームと再会する」というのは初耳だったので、

クロームドームというのは作品のどの場面で現れる男性ですか?

と尋ねたところ、
クロームドームは『銀河鉄道999』の登場人物で、主人公の鉄郎とメーテルが出会う前に、メーテルがかつて愛した男性として物語中盤に登場します。
クロームドームは、宇宙海賊として知られる人物で、かつてメーテルとともに宇宙を旅していた時に出会い、彼女に深い影響を与えました。クロームドームは鉄郎とも出会い、彼と協力して宇宙海賊ゴシックロードと戦います。
劇場版アニメ版では、クロームドームはメーテルの恋人という設定になっており、彼女が再会する相手として重要な役割を果たしています。
という回答であった。クロームドームについてさらに、

その男性は、クィーン・エメラルダスが探していた男性とは別人ですか?

と尋ねたところ、
クィーン・エメラルダスが探している男性とクロームドームは別人です。
クィーン・エメラルダスは、宇宙船クイーン・エメラルダス号の船長であり、メーテルと鉄郎が出会う前に登場するキャラクターです。彼女は、宇宙を旅する中で、失われた惑星ラ・メシアを探し求めており、その際にかつて出会った男性を探しています。
この男性は、クロームドームとは別人で、彼とは直接的な関係はありません。ただし、両者ともメーテルと深い関係を持っていることから、作品中でしばしば両者が絡み合う場面が描かれています。
という回答があった。いずれも、今回私が観た映画版には存在しない人物・展開であり、なぜそのような回答が生成されたのかは大きな謎である。




 続いて、Bingに冒頭と同じ質問をさせていただいたところ、
『銀河鉄道999』の結末は、メディアによって異なります。漫画本では、メーテルと鉄郎は地球に帰ります1。劇場版アニメでは、メーテルは惑星メーテルの女王であり、鉄郎は機械化されてしまいます。
...
劇場版アニメの結末は、鉄郎が機械化された後、メーテルと別れます。メーテルは惑星メーテルの女王であり、鉄郎を利用していたことが明らかになります。しかし、メーテルは鉄郎に本当に愛情を抱いていたことも示唆されます。
という回答をいただいた。鉄郎が機械化されてしまったというのは初耳だったので、

劇場版アニメで、鉄郎が機械化されたというのは本当ですか? 惑星メーテルを破壊して地球に戻ったのではありませんか?

と尋ねたところ、
劇場版アニメでは、鉄郎は惑星メーテルを破壊しません。地球に戻ったのは、テレビアニメや原作の方です。劇場版アニメと原作やテレビアニメでは、結末が異なります。
という回答があり、さらに

劇場版アニメは現在無料公開されています。ラストは、鉄郎が再び銀河鉄道999に乗って地球に帰るシーンになっていますが。

と質問を重ねたところ、
そうですか。劇場版アニメは無料公開されているのですね。ラストは、鉄郎が地球に帰るシーンになっていますが、それは想像上のものであり、実際には鉄郎は機械化されたままです 。
という回答となり、鉄郎が機械化されたというありえない結末は訂正されなかった。

 ということで、ChatGPTからもBingからも、『銀河鉄道999』の結末についての正確な情報を得ることはできなかった。ま、あくまで創作についてのやりとりなので仮に誤答であってもどうこう言うほどのことはないが、仮に歴史上の出来事、例えば大量虐殺のような事件について「それは想像上のものであり、実際には虐殺はありません」などと回答するようなことがあると、利用者の歴史認識に大きな影響を及ぼす恐れがありそうだ。

 次回に続く。