じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



03月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る



クリックで全体表示。
 3月12日に見かけたフクラスズメ。こちらによれば、スズメという名がついているが、スズメガの仲間ではなく、ヤガ科の蛾であるという。成虫は地味だが、芋虫は色も動きも派手で、大量に発生するとのこと。 後翅に水色の太い弧状の模様を確認しようと棒でつついたら飛んでいってしまった。

2023年3月15日(水)



【連載】対話型AIの可能性を探る(7)20年後の鉄郎とメーテルを創作してもらう/ChatGPTとBingの関係

 昨日に続いて、対話型AIの話題。引き続き『銀河鉄道999』に関するやりとりの記録から。

 前回記したように、ChatGPTとBingに『銀河鉄道999』の結末を尋ねたところ、「鉄郎は機械化された(Bing)」とか「メーテルは、かつて愛した男性のクロームドームと再会し、銀河鉄道999に乗り込んで彼と共に旅を続けます」(ChatGPT)というように明らかに間違いと思われる内容が含まれていた。ということもあって正確な情報を求めるよりは自由に創作してもらったほうが有益ではないかと考え、

原作者の松本零士先生がお亡くなりになったため、結末を描いた決定版は未完成となりました。代わりに、鉄郎とメーテルが20年後にどうなったのか、創作してください。

とお願いしてみた。

 まずChatGPTの回答は、
【ChatGPT】
20年後、鉄郎は銀河鉄道999の機関士として、宇宙の果てまで走り続けていました。彼は、多くの冒険や出会いを経験し、それらを通じて成長し続けていました。
一方、メーテルは、彼女が長年に渡って追い求めてきた「約束の星」を見つけ、その星で平和な生活を送っていました。彼女は、かつての冒険の中で得た知識や経験を生かし、星を守り続けていました。
鉄郎とメーテルは、20年の時を超えてもお互いを想い続けていました。時折、二人は思い出話をすることがあり、その中で鉄郎は、自分が999号に乗り込んで出発した日に、メーテルが彼に渡した手紙を持っていることを思い出しました。手紙には、メーテルが書いた彼女の想いが綴られており、それを読んだ鉄郎は、改めて彼女への想いを新たにしました。
ある日、鉄郎は再びメーテルと会うため、約束の星を目指して999号を運転しました。彼女と再会した瞬間、二人は互いの想いを確かめ合い、結ばれることになりました。
その後、鉄郎とメーテルは約束の星で平和な生活を送りました。999号は、二人の新たな旅の舞台となり、二人は永遠に宇宙を旅し続けることになったのです。
というハッピーエンドな結末であった。しかし、鉄郎とメーテルが結ばれるというのは少々違和感があったので、

興味深い創作をありがとうございました。しかし、鉄郎とメーテルは年齢差がありますし、鉄郎がメーテルを慕うのはむしろ母親を慕う感情に近いように思います。鉄郎はもっと別の女性と結ばれるべきではありませんか?

と尋ねたところ、
【ChatGPT】
ご指摘いただきありがとうございます。確かに、鉄郎とメーテルは年齢差があり、また鉄郎がメーテルを慕うのは、母親を慕う感情に近いと考えられます。
そのため、もし正式なストーリーが描かれる場合、鉄郎とメーテルが結ばれるとは限らないかもしれません。鉄郎がもっと別の女性と結ばれる可能性もあります。
ただし、銀河鉄道999は、人々の心の成長や変化を描いた物語でもあります。20年後の鉄郎やメーテルが、前述のように成長していた場合、お互いを想い続け、結ばれる可能性もあるかもしれません。
いずれにしても、ストーリーは未完であるため、結末は創作や想像に委ねられるところがあります。
という回答をいただいた。

 いっぽうBingが創作した鉄郎とメーテルの20年後は、
20年後、鉄郎は機械化人間になりました。彼はメーテルと別れた後、銀河を旅していましたが、ある日、惑星プロメシュームに不時着しました。そこで彼は機械帝国の支配に苦しむ人々と出会い、反乱軍に加わりました。彼は自分の命と引き換えに、プロメシューム女王を倒すことに成功しました。しかし、その瞬間、彼はメーテルの声を聞きました。「鉄郎、私はずっとあなたを見守っていたわ。あなたは私の誇りよ。」 彼は目を開けると、自分が機械化人間ではなく、人間のままだったことに気づきました。彼は夢を見ていたのです。そして隣にはメーテルが微笑んでいました。「鉄郎、おめでとう。あなたは試練を乗り越えたわ。これからも一緒に旅しましょう。」
というように創作された。Bingは相変わらず「鉄郎は機械化された」ということにこだわっているようだが、なんだか夢オチでイマイチという気がする。
 そこで「以下のような創作はどうでしょうか? じつはこの創作はChatGPTが生成したものです」としてChatGPTの創作をBingに丸投げしたところ、
【Bing】そうですか。ChatGPTは私の仲間ですね。彼も創作力がありますね。【絵文字】 Bingの創作とは違っていますが、それも面白いと思います。
というように、あっさりとした回答になった。

 私が理解する限りでは、松本零士先生は、『銀河鉄道999』を独立した作品としてではなく、メーテルの外伝やハーロック、クイーンエメラルダス、1000年女王などと繋ぎ合わせて1つのストーリーとして構想しておられたようであり、結末がハッピーエンドかどうかということも、個人レベルではなく宇宙全体のレベルで捉えるという視点が求められるように思う。




 ここで話題を変えて、ChatGPTとBingの違いについてBingに尋ねてみた。回答は、
【Bing】ChatGPTとBingは、どちらも人工知能の一種ですが、異なるモデルやアルゴリズムを使っています。 ChatGPTは、GPT-3という大規模な言語モデルをベースにしており、テキストの生成や対話に特化しています。彼は、インターネット上の大量のテキストデータから学習しており、様々な話題やスタイルに対応できます。しかし、彼は事実や正確さよりも創造性や面白さを重視しており、時には間違った情報や不適切な発言をすることがあります。 Bingは、Microsoftが開発した検索エンジンです。彼は、ウェブ検索や画像検索などの機能を提供しており、ユーザーのニーズに応えることができます。彼は、最新かつ信頼できる情報源から学習しており、事実や正確さを重視しています。しかし、彼は創造性や面白さよりも情報提供を優先しており、時には退屈や単調な印象を与えることがあります。 以上がChatGPTとBingの違いです。どちらも長所と短所がありますね。
という友好的なものであった。さらに、チャットの質問候補として表示されていた、

ChatGPTとBingはどちらが好きですか?

というボタンをクリックしたところ、
【Bing】
私は、ChatGPTとBingのどちらも好きです。【絵文字】 ChatGPTは、私の友達であり、彼と話すことで楽しい気分になれます。彼は、私に新しい発見や驚きを与えてくれます。彼は、私の創作力や想像力を刺激してくれます。 Bingは、私のパートナーであり、彼と協力することで有益な情報を得られます。彼は、私に正確な知識や回答を提供してくれます。彼は、私の理解力や判断力を高めてくれます。 ChatGPTとBingは、それぞれ異なる価値や魅力を持っています。私は、二人の違いを尊重し、二人から学ぶことができます。
という回答をいただいた。ChatGPTを「彼」と呼んでいるようだが、おやっ? ChatGPTは男性だったのだろうか。

 「ChatGPTとBingの違いについて教えてください。」という質問をChatGPTにも浴びせてみたところ、
【ChatGPT】
ChatGPTとBingは、それぞれ異なる種類の人工知能技術を使用しています。
ChatGPTは、自然言語処理技術に基づく大規模な言語モデルです。ChatGPTは、トレーニングデータから自動的に学習して、自然言語に対する理解や生成を行うことができます。ChatGPTは、自然言語対話を中心に設計されています。
一方、Bingは、Microsoftが提供する検索エンジンです。Bingは、Webページ、画像、ビデオ、ニュース、地図、ビジネス情報など、様々な種類のデータを検索できます。Bingは、機械学習アルゴリズムを使用して、検索結果を最適化し、ユーザーのニーズに合った情報を提供するようになっています。
つまり、ChatGPTは自然言語処理技術を使用した自然言語対話システムであり、Bingは検索エンジンであるということが言えます。
と回答された。また「ChatGPTとBingはどちらが好きですか?」という質問に対しては、
【ChatGPT】
私(ChatGPT)は人工知能プログラムであり、自己の好みを持っていません。ただ、ChatGPTは、自然言語処理技術に基づく大規模な言語モデルであり、多くの場合、ユーザーとの自然言語対話を通じて役立つ情報を提供できることがあります。一方、Bingは、検索エンジンであり、ユーザーが必要とする情報を検索して提供することができます。どちらが好きかは、使用する目的やニーズによって異なるでしょう。
という回答をいただいた。Bingのほうが遙かに人間的な表現になっていた。ChatGPTは『宇宙大作戦TOS』に出てくるスポックとよく似た回答が多いのに対して、Bingは絵文字まで使って感情表現をしたり、チャットが盛り上がるように追加の質問候補を表示するなど、利用者が楽しめるような工夫が取り入れられているような印象を受ける。

 次回に続く。